「すくう」のは金魚か、愛する人の心か─。金魚すくいをモチーフに、若者たちの恋愛模様を描く。原作は大谷紀子の同名マンガ。奈良県で撮影されたノスタルジックな風景を舞台に、思い切りポップでカラフルなミュージカルシーンが展開される。
大手メガバンクの銀行員・香芝誠(尾上松也)=写真右=は優秀だがプライドが高く、周囲の人々とうまくコミュニケーションがとれない問題を抱えていた。ある日、上司を激怒させた香芝は東京本店から遠く離れた地方への転勤を命じられる。
渋々向かった勤務先は、子どもから大人まで金魚すくいに熱中する不思議な町。そこで香芝は金魚すくいの店を営む女性・生駒吉乃(百田夏菜子)=同左=に出会う。ミステリアスで美しい彼女に一目ぼれした香芝だったが、うまく気持ちを伝えられない。彼女が謎の男・王寺昇(柿澤勇人)に思いを寄せていることに気付いた香芝は、金魚すくいで対決することを彼に申し込む。
映画初主演の尾上が変わり者の主人公を熱演。力強い歌声で英語のラップも堂々と披露し、芸達者ぶりを発揮している。百田も影のあるヒロインを好演。憂いを帯びた表情が新鮮だ。
鈴木大輔が手掛けた楽曲は親しみやすく、出演者たちの伸び伸びした歌声と、遊び心満載の映像を楽しめる娯楽作に仕上がっている。
監督/真壁幸紀
製作/日本、1時間32分
12日からTOHOシネマズ上大岡などで上映
