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コロナ禍の状況を巧みに反映 岡本太郎現代芸術賞展

文化 | 神奈川新聞 | 2021年3月12日(金) 13:57

大西茅布の「レクイコロス」に見入る来場者=川崎市岡本太郎美術館

 絶えず挑戦を続けた現代美術家、岡本太郎の精神を継承し、自由な視点と発想で現代社会へのメッセージを込めた美術家を顕彰する「岡本太郎現代芸術賞」。今年、第24回を迎えた同賞の入選作を紹介する「岡本太郎現代芸術賞展」が、川崎市岡本太郎美術館(同市多摩区)で開催中だ。コロナ禍の状況を芸術に巧みに反映した、意欲あふれる作品を堪能できる。

 全国から616点の応募があり、入選した24人の作品が並ぶ。

 大賞に当たる「岡本太郎賞」は、大阪府在住の高校生、大西茅布(ちふ)(18)が最年少で受賞した。「レクイコロス」と題された作品は、高さ5メートルの壁面いっぱいに40点以上の油彩画が並ぶ。

 描かれているのは生々しい人間の姿。異様に膨れた腹部やあばら骨が見えるほどの痩身(そうしん)といった飢餓や紛争状況に置かれた人々の中、ナチスを思わせる軍服の一団が見えるなど、雑多な群像が強烈な印象を残す。

 作品名は「レクイエム(鎮魂)」と「コロナウイルス」の合成語。新型コロナの感染拡大を受けて、昨年3月からの臨時休校中に手掛けた油彩画を中心に、これまでに描きためた作品を並べた集大成だ。

 大西は「世界の悲惨について目をつぶるわけにはいかないと考える人間です」と自身の考えをつづる。壁面中央には制服姿の自画像があり、その視線は自己の内面より、社会へ向けられているように見える。

素材が鉄とは思えないモリソン小林の「break on through」=川崎市岡本太郎美術館

 大賞に次ぐ「岡本敏子賞」は、川崎市高津区在住のモリソン小林(51)が受賞。標本のように額縁に納まったり、根を張り、枝を伸ばしたり、と自由な姿を見せる植物によるインスタレーション「break on through」だが、その素材のほとんどが鉄という意外な作品だ。

 シダやユリ、アサガオ、ツバキと細部まで本物そっくりの精巧さ。柔らかそうな花弁に、造形技術の高さを見せつけられる。

 同館の佐藤玲子学芸員は「展示方法はさまざまだが、絵画作品が多いのが今回の特徴。コロナ禍に真っ向から向き合ったというより、自分の普段の作品の延長線上でコロナに即した展開をしている印象がある」と話した。(下野 綾)

 4月11日まで。月曜休館。一般700円ほか。週末を中心に、パフォーマンスを主体とした作品の展示活動が行われる。問い合わせは同館、電話044(900)9898。

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