開始わずか1分。ルーキーの初スタメン、初シュートは、初勝利を引き寄せるゴールとなった。
「試合前は右手と右足が一緒に出るぐらい緊張していた」と、殊勲弾のMF荒堀。しかしペナルティーエリア右でボールを受けてのドリブルに動けなくなったのは、湘南DFの方だった。「この試合で最初のプレー。考えるより先に体が動いた」。細かいステップで2人を抜き去ると、迷わず右足を振り抜いた。
攻守の連係を欠き、開幕2連敗と苦しんできた。岸野監督は「とにかく不細工でもいいから激しく、粘り強いプレーが必要だった」と話す。その期待にルーキーが存分に応えた。「後半バテました」と苦笑いしたが、得点シーンのみならず積極的な上下への動きは最後まで途切れなかった。
試合後、全国高校サッカー選手権を制した野洲高や、同大時代のチームメートから、早速「ナイスシュート」とメールが届いた。いま、新たな仲間と戦う。「(三浦)カズさんとか、すごくアドバイスしてくれる。チームのためにゴールできて本当にうれしい」。立役者の顔がほころんだ。
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