
◇第5節(ニッパツ)
横浜FC 2-2 福岡
(前 0-2|後 2-0)
目の覚めるような同点弾だった。1-2の後半ロスタイム。右CKから生まれたこぼれ球にペナルティーエリア外で反応したのは横浜FC主将、MF寺田だった。
「とりあえず枠に飛ばそうと適当に蹴っただけです」。そう恥ずかしそうに振り返ったが、左足から繰り出された鋭い弾道のシュートは相手DFの壁を抜け、ゴール左を一直線で貫いた。相手GKが一歩も動けない強烈な一撃だった。
ホーム初勝利こそお預けになったが、会心の同点劇だろう。
序盤はロングボール主体にフィジカルの強さを前面に出す福岡に押し込まれ、0-2の劣勢を強いられていた。だが、キャプテンが後半途中にボランチからトップ下に入ると、好パスを散らして猛攻を開始。後半31分のFW黒津のゴールで1点差とし、ここまで反撃を演出してきた背番号10が最後の最後に決めた。
陽気なキャラクターでチームをまとめる29歳。主将に就いて2年目になるが、仲間にはリーグ最年長選手のFW三浦らベテランがそろい、「経験のある選手がいて声を掛けてくれるし、Jリーグのどこのチームよりも楽なキャプテン。気負わずにやってます」と笑う。
次節は中3日で迎えるホームでの磐田戦。「このままの勢いでいきたい」というキャプテンが次節こそ本拠地での今季初白星を呼び込む。