横浜FC:新体制発表 9季ぶりJ1狙う ルス新監督闘志前面に
横浜FC | 神奈川新聞 | 2015年1月13日(火) 03:00
J2横浜FCは12日、横浜市保土ケ谷区のLEOCトレーニングセンターで新体制を発表し、2年契約を結んだスロベニア出身のミロシュ・ルス監督(52)は「仕事をさせてもらうことをとてもうれしく思う。クラブの目標を達成するために全力を尽くしたい」と9シーズンぶりのJ1復帰を誓った。
新加入は、FW大久保ら期限付き移籍からの復帰を含めて10選手。そのうち、産能大のDF楠元秀真(22)と東京・成立学園高のMF上田悠起(18)が会見に出席し、それぞれ抱負を語った。
クラブ創設17年目のシーズンに向けて北川浩史社長(43)は「クラブメンバーとの絆を大事にしながら、新たな価値を創造するためにトライしたい」とあいさつ。新任の中田仁司強化育成テクニカルダイレクター(52)は「常にレベルアップを目指し、J1、そして世界で通用するチームにしていきたい」と意気込みを示した。
チームは15日に同センターで始動。19日からタイ・プーケットで1次キャンプに入る。
◆ルス新監督 勝利へのパワー伝授
「こんなに多くの方に集まってもらうのは予想していなかった。クラブの将来に対する大きな期待の表れだと思う」。会場に詰め掛けた約250人のサポーターを前に、ルス監督は気持ちを高ぶらせた。
期限付き移籍からの復帰組を含めた新加入選手10人のうち、DF楠元、MF上田の新卒組を除いた8人が横浜FCでプレーしている。主力も大半が残留。中田強化育成テクニカルダイレクターは「積み重ねてきたもので、がっちりと基盤をつくりたい」と自信を見せる。
指揮官が理想に掲げるのは「ボールを保持し、攻守に規律のあるサッカー」。これまで築き上げてきたパスサッカーを基に「ダイレクトにゴールに向かっていく」スタイルを目指す。昨季はリーグ14位の49得点。「決定力の向上」を課題に挙げた新監督にとって、2年前にチーム最多の12得点を挙げた34歳のFW大久保の復帰も頼もしい。
1997年に日本フットボールリーグ(JFL)のブランメル仙台(現J1仙台)の指揮を執り、スロベニア代表のアシスタントコーチや同国の年代別の代表監督を歴任。経験豊富な監督に、北川社長は「ベテランから若手までうまくバランスを取ってもらいたい」と大きな期待を寄せる。
具体的なチームづくりはこれからだが、「負けるのは嫌い。全ての試合に勝ちたいという人間。そういうパワーをクラブに伝えていきたい」と闘志を前面に押し出したスロベニア人指揮官。新年恒例となった書き初めでは母国語で勝利を意味する「ZMAGA」と力強く記した。
【神奈川新聞】