神奈川ダービーは横浜M アデと斎藤が主役
横浜F・マリノス | 神奈川新聞 | 2015年4月26日(日) 03:00

明治安田J1第1ステージ第7節第1日は25日、各地で8試合が行われ、日産スタジアムで行われた横浜M-湘南の「神奈川ダービーマッチ」は横浜Mがアデミウソン、斎藤の今季初ゴールなどで3-0の完勝を収めた。川崎は大久保の得点などで甲府に3-0で快勝し、勝ち点14で暫定2位に浮上した。
首位の浦和は名古屋を2-1で下して2連勝。開幕から7戦負けなしで勝ち点を17に伸ばした。最下位の甲府は5連敗。山形に1-0で勝ったFC東京も同14とし、得失点差で暫定3位となった。
広島は清水に2-0で快勝し、清水は5連敗。神戸は鹿島に2-1で競り勝った。初昇格の松本は仙台を破ってホーム初勝利を挙げた。鳥栖-柏は引き分けた。
G大阪-新潟は26日に行われる。
横浜M 3ー0 湘南
(前 1−0|後 2−0)
浮沈の鍵を握るドリブラーがようやくトンネルを抜けた。「やっと点が取れた。本当にやっとって感じ」。今季最多の3ゴールで公式戦連敗を2で止め、リーグ戦で3試合ぶりの勝ち点3をつかんだ横浜M。先制点のMFアデミウソンもさることながら、今季初得点のMF斎藤もまた、この日のピッチの主役だった。
忘れかけていた味は格別だった。
1-0の後半40分。パスカットしたMF喜田のパスを左足でコースへ流し込んだ。自身公式戦9戦目、出場751分目での得点に、ゴール裏のサポーターのもとへ駆け寄ると、深く一礼して両手を合わせて「ごめんなさい」のポーズも。「サポーターもどれだけ俺が焦ってたか知ってたと思う。次は楽しさのポーズを見せないと」と笑った。
今季は体重を5キロ絞り、体脂肪率も2・5%減の10・5。ヨガや腸内環境を良くする本を読んで食事の回数や量を決め、体調を徹底管理している。「結果が出なくて心の焦りはあったけど、運動量と体の切れは例年以上」。そんな自信がようやく実を結んだ。
アデミウソンも苦しんだ末に初ゴールを決め、トップ下の中村、ワントップのラフィーニャも復帰。何より斎藤の言葉が頼もしい。「こんな試合をもっと増やしていく。これ一発で終わったんじゃ意味が無い」。上位追撃の態勢はいよいよ整った。

サポーターからのブーイングが今季初めてイレブンに浴びせられた。湘南は見せ場がないまま3失点で完敗した。
リスクを負って前へ飛び出す、ボールを取られたら必死に奪い返す-。3年をかけて築いてきたスタイルを示せなかったのが何より、3連敗を重苦しくさせている。前半9分、巧みな連係から崩され、アデミウソンにJリーグ初得点を奪われると、動きはめっきり萎縮した。
「後手後手になってしまい考え過ぎた」と主将の永木。横浜Mの強固な守備陣を意識するあまり、中盤で簡単にボールを失ったり、パスコースをつくるためのフリーランニングを怠ったり。特徴的な縦への攻撃はほとんど見られなかった。
後半25分すぎからようやくエンジンが掛かってきたのもつかの間、前掛かりになったところでカウンターを浴び、立て続けに失点した。チョウ貴裁監督は「われわれは一つ入っていく勇気がなかったし、腰が引けていた。自滅」と厳しい。
2年前のJ1開幕戦では、ここ日産スタジアムで2-4の逆転負け。そのシーズンで降格する憂き目を味わった。「一つの壁を乗り越えないと一昨年と同じことになってしまう」と永木。連戦が続くゴールデンウイーク、湘南は踏ん張りどころを迎えている。