◇04年以来のリーグ制覇へ
2004年以来のリーグ優勝へ、大黒柱として、そして5季連続のキャプテンとして、元日本代表で横浜MのMF中村俊輔(36)は今季もチームを引っ張る決意を固めている。現在は左足首痛からチームを離れているが、一刻も早い復帰を目指してプールトレーニングなどで懸命にリハビリ中だ。キャンプ地の宮崎で新たなシーズンに向けての目標などを語った。
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-モンバエルツ新監督の印象は。
「根本的なマリノスのサッカーは変わっていない。ビルドアップだったり、やはり得点数が少ないので(攻撃の)肉付けをしていく。あとは対人のボール回しの練習が多い。出して、動く。そういう練習を繰り返している。個人として練習に行くのが今は楽しい」
「一番好きなのは、ボール回しの時に必ずテープでラインを引くこと。スペイン(エスパニョール)の時がそうだった。ボールが出た、出ていないの判断を選手が決めるんじゃなく、意識させるってことかな。空間認知がしやすい」
-6月で37歳。トップレベルを維持する秘訣は。
「一番はメンタル。自分にどれだけプレッシャーをかけられるか。ミニゲームで負けてもイライラしちゃうしね。練習でうまくいかないと、なんでだろうとか悩む。それが自然とすり込まれて妥協しない癖が付く。その癖が付けばあとは楽」
-何歳までプレーしたいか。
「あと何年やれるか分からない。毎年毎年が勝負だと思っている。一区切りで勝手に40歳だとか言ってるけど。チームは練習の時にGPSを付けて走行距離とかダッシュの回数を測っているんだけど、その数値はほぼトップ。単純に言うとまだできる。でも、少しでもサボれば、若い選手より階段を落ちていくスピードは速い。そういう怖さがある中でやっている」
-マリノスの若手に言いたいことは。
「センスのある選手はすごく多い。もう一皮じゃなく、殻かな。殻を壊さないといけない選手が多い。期待しているのは(熊谷)アンドリュー、(端戸)仁、アマジュン(天野純)。(佐藤)優平は一皮むけたけど、まだ殻は壊れてない。他人に鼓舞されてやるんじゃなく、自分の中から爆発させるようなものがないと」
「自分の場合、殻を壊すスイッチは(2000年シドニー)オリンピック代表での激しい競争が起爆剤になったし、(代表落ちした02年ワールドカップの日本代表監督の)トルシエさんっていう分厚い殻もあったでしょ。そういう免疫っていうか、忍耐力かな。試合に出られない、じゃあ、どうするか。人の倍以上練習しなくちゃ」
-昨季はプロ入り以来17年連続で決めていたFK弾が止まった。
「全く気にしてない。FKの回数も少なかったし仕方ない。ただキックのフォーム、弾道、スピードは気にしないと。なぜゼロだったかは修正しないといけない。キッカーとしての責任もある。今年はしっかり決めたい」
-今季の目標は。
「10点取りたい。ゲームをつくったり、一発のスルーパスとかは得意。得点に絡む動きは昔からの課題。ワントップの下(トップ下)になるってことは、シーズンを通して10点は取らないと」
「やっぱりワントップの選手とはお互いを見なくても、パスを受けたら動きだしてるとか、コンビネーションプレーをもっとつくれれば。ゲームを決めるプレー、ツボだよね。そういうプレーを知っているのはバッジョ(元イタリア代表)。仲間とのパイプをいろんなところでつくっていると、何歳になっても消えない。せっかく何年も同じメンバーでやってるから、コンビネーションというパイプを増やすのもそうだけど、太くしていきたい」
【神奈川新聞】