

サッカーの元日本代表でJ1横浜MのMF斎藤学(27)が、昨季J1を初制覇した川崎に完全移籍することが11日、分かった。近日中にも両クラブから正式発表される。横浜Mにとって、J1磐田に移籍したMF中村俊輔(39)に続き、2年連続で背番号10の主将が他クラブへと流出する異例の事態となった。
複数の関係者によると昨季限りで契約が切れた斎藤に対し、川崎が昨オフに続いて複数年契約で獲得オファーを出していたという。
斎藤は昨年9月に右膝前十字靱帯(じんたい)を損傷し、全治8カ月で現在はリハビリ中だ。しかし、ことし6月に開幕するワールドカップ(W杯)ロシア大会でのメンバー入りへの意欲は強く、リーグ王者の川崎でさらなるレベルアップを図りたい意志を優先したとみられる。
斎藤は川崎市出身で小学生のころから横浜Mの育成組織に所属し、市川崎高3年時にトップチームでデビュー。2012年のロンドン五輪では4強入りに貢献するなど、各世代別の代表に名を連ねてきた。16年限りで退団した中村に代わり、17年は主将に就任。背番号10も受け継ぐなど、人気と実力を兼ね備えた生え抜きとしてチームの顔になっていた。J1通算201試合で32得点、国際Aマッチは6試合1得点。
川崎は昨季、クラブ創設21シーズン目で悲願のリーグ戦初優勝を飾り、今後3年間で総額22億円の理念強化配分金などを獲得することが決まっている。リーグ連覇とアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)制覇を見据え、今オフには川崎に在籍した13年からの4シーズンで公式戦101得点を挙げた元日本代表FW大久保嘉人(35)を再獲得するなど、チーム強化を進めていた。