横浜M2-0福岡
心なしか瞳は潤み、声は震えていた。昨年7月以来のホームのピッチ。試合後、取材エリアに現れた横浜Mの宮市は万感の思いを込めて言った。「スタジアムがつくり出してくれた雰囲気に圧倒されて心が震えた。待っていてくれたんだな」
ワンプレーごとに沸いた。後半33分、ヤンマテウスに変わって左ウイングに入ると、マルコスジュニオールからのロングパスに反応してボックス内へ。シュートまでは持ち込めなかったものの、杉本への左クロスなど最終盤までサイドを縦横無尽に駆け回った。
「チームに求められているのはスペースをついた縦の仕掛けやスピード。そこは出さないとなという思いだった」。相手DFの激しいスライディングタックルにひやりとする場面もあったが、「行かなくても良かったかもしれないけど、ああいうシーンで怖さなくできたのは自信になった」と充実の笑みを浮かべる。
サポーターと歓喜を分かち合うのも久しぶり。「僕のユニホームを掲げてくれる人が多かったし、その思いにこれから応えていきたい」。ウエルカムバック。多くの祝福とともに、ここに完全復活だ。(須藤 望夢)