30年目のJリーグ(13)
マリノスあの日あの時 2クラブ合併 突然の決定に唖然
横浜F・マリノス | 神奈川新聞 | 2022年10月8日(土) 06:00
Jリーグ開幕前年の1992年に産声を上げ、ことし創設30周年の節目を迎えるJ1横浜M。その立ち上げから長く運営に携わってきた根本正人さんが、忘れ得ない出来事や選手らにスポットを当てながら歴史をひもとく。
後にリーグ史に深く刻まれる日となる1998年10月29日、横浜マリノスと横浜フリューゲルスの合併が東京都内で発表された。当時広報だった私は、谷口武彦常務から記者会見に出席する高坂弘己社長に同行してほしいと言われ、重々しい空気の中でその日の発表を見守った。
会見に先立つ、ほんの数日前。マリノスの会議室に社員が集められ、初めて合併の話を聞いた。ホワイトボードには、新たなチーム名「横浜F・マリノス」が記されていた。突然の決定に誰もが唖然(あぜん)とした。
「チーム名の『F』は何ですか」との質問があり、谷口常務は「『F』はフリューゲルスの『F』」と答えた。当然、私も含めて誰もが納得していなかった。
説明会は大荒れ
マリノスあの日あの時 2クラブ合併 突然の決定に唖然
結果的にラストとなった1998年9月の「横浜ダービー」。写真はシュートするマリノスの上野と、防ごうとするフリューゲルスの遠藤=横浜国際競技場(共同) [写真番号:1116183]