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元日本代表・稲本潤一 新たな夢 J3相模原

Jリーグ | 神奈川新聞 | 2019年1月29日(火) 03:10

 2002年日韓ワールドカップ(W杯)で列島を沸かせたスター選手が、プロ23年目のシーズンをJ3相模原で始動させた。国内外の強豪クラブでしのぎを削ってきた元日本代表MF稲本潤一(39)は「僕自身、まだまだやれる。相模原に変革を起こしたい」と市民クラブで新たな夢に挑む。


相模原に新加入した元日本代表MF稲本(中央)。パス回しでは軽快なフットワークを見せた=相模原市中央区の横山公園
相模原に新加入した元日本代表MF稲本(中央)。パス回しでは軽快なフットワークを見せた=相模原市中央区の横山公園

 日韓W杯。代表ユニホームを身にまとった金髪の青年が、日本サッカー界の歴史を動かした。

 1次リーグロシア戦。稲本がゴール前から右足で流し込んだ決勝ゴールが、悲願のW杯初勝利に導いた。大会2得点で初の決勝トーナメント進出に貢献。笑顔で人さし指を掲げ、ピッチを駆けるパフォーマンスは今も、多くの国民の脳裏に焼き付いている。

 あれから16年半が過ぎた。ことし9月には不惑を迎えるという名ボランチは、Jリーグ3部チームへの移籍という大きな決断に踏み切った。

 新天地は相模原。同市内の公園にある硬い人工芝のピッチの上で、2019年をスタートさせた。着替えに使うのは、施設職員や利用者も出入りするクラブハウス。シャワー室はあるものの、蛇口をひねっても出るのは冷たい水だけ。お湯を出す機能はないという。

 G大阪を皮切りに、イングランド、ドイツなど欧州で長くプレー。その後も川崎や札幌など恵まれた環境に身を置いてきた稲本は「人工芝は体への負荷が大きい。気を使わないと。シャワーが水しか出ない環境は初めてで…」と苦笑いする。昨季限りで引退した元日本代表GK川口も、退団の際の相模原市長へのあいさつで「最後にお願いがあります。公園のシャワーからお湯を出せるようにしてください」と懇願していたという。

 ただ、チームメートとボールを囲めば全盛期をほうふつさせる笑顔がこぼれる。パス回しでは鋭くボールをさばく。着ていたビブスを他の選手に回すと、受け取った若手がうれしそうに袖を通す。代表時代と比べてしわの数は増えたが、おかげか笑みに深みが増した。

 再起を懸けた移籍だ。J1札幌では直近2年でリーグ戦出場8試合。昨オフは同世代の選手が続々と引退したが「まだやれるからやめる選択肢はなかった。もっともっとサッカーがしたかった」と出場機会を求めた。

 今季のチームスローガン「変革」を「環境の変化」と捉える。厳しい環境で若手と汗を流しながら、「僕たち(相模原)にもっと投資してくれる、サッカーに力を入れてもらえるようにしたい」との思いを強くした。

 過去3年はリーグ中位に甘んじており「結果を示さないと注目されない。みんなで相模原の人たちの意識を変えていきたい」。サインを求めるサポーターの列に足を運び、せっせとペンを走らせた。

攻守に主導権取って


 相模原イレブンは相模原市中央区の横山公園で始動。三浦文丈監督の要望で約1時間半をかけた体力測定からスタートした後、パス回しなど軽めのメニューをこなした。

 今後は2月4~8日の静岡・御殿場キャンプなどを経て3月10日の開幕戦に備える。望月重良会長は「例年以上に補強に力を注ぎ、けが人や累積警告など離脱者も想定した上で動ける選手をそろえた。攻守にイニシアチブを取ってほしい」と期待を込めた。

 
 

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