
つかめCS出場
明治安田J1第2ステージは11日、各地で開幕する。県勢3クラブは、いずれもホームで川崎がFC東京、横浜Mが山形、湘南が名古屋と対戦。年間優勝を決めるチャンピオンシップ(CS)出場権獲得へ、逆襲を期す各チームのキーマンを紹介する。
横浜M、危機感持って先導 MF中村俊輔
頼れる横浜Mの司令塔のスタメン出場が近づいている。今週の紅白戦はすべて先発組。ボランチでプレーした9日は長短のパスでリズムをつくり、約18メートルのFKも決めるなどコンディションは良好だ。本職のトップ下ではなく、1列低い位置となる中村だが「老化を防ぐには、動き回る方がいい。与えられたポジションで全力を出す」と気にしていない様子だ。
今季は開幕前に左足首を手術し、復帰直後に右太もも裏を負傷。出場はまだ3試合だが、百戦錬磨のベテランは「自分を見詰め直すことができた」と言う。再離脱していた約2カ月間は両太ももの筋肉を徹底強化。モンバエルツ監督が求めている「縦へ速いスタイル」で不可欠なスプリントを養った。
「マリノスは6位じゃ駄目。優勝争いに絡まなきゃ。危機感を持ってやる。雰囲気をつくるのも役目」。ピッチ内外で背番号10が先導する。
川崎、一戦必勝不安なし FW小林悠
戦いの再開を誰よりも待ちわびているのは川崎のFW小林だ。第1ステージはけがに泣き、わずか2得点にとどまったストライカーは「(第2ステージで)どれだけ魅せられるか。自分に期待したい」と燃えている。
5月に手術した右膝の経過は良好だ。6月の第1ステージ最終戦で実戦復帰し、9日には居残りでシュート練習。「膝の違和感もないし、状態は徐々に上がってきている」と軽快にネットを揺らす姿にもう不安は見当たらない。
第2ステージ開幕戦はFC東京との「多摩川クラシコ」。淵野辺高(現麻布大付高)時代のチームメートである日本代表DF太田との対戦も楽しみだが、まずは一戦必勝を期す背番号11は「コンディションを整えて、どんどんゴールを決められるようにしたい」。復活を遂げた生え抜きFWが、巻き返しを図るチームを勢いに乗せる。
湘南、後半戦も走り抜く FW高山薫
今シーズンの目標だった二桁ゴールまで、残り5得点。湘南のトップスコアラー、FW高山は「もっと取れたし、もっといいプレーができたと思う。第2ステージでは最低5点は取りたい」と、再びチームを引っ張る覚悟でいる。
バレーボール選手で、実業団からスカウトもされたという「母の遺伝子を受け継いだ」。そう自己分析するフィジカルの強さで、第1ステージのスプリント(時速24キロ以上)回数はチームトップでリーグ6位。
本人がベストゴールと言ったのも、その特長が出た第13節(5月23日)清水戦のチーム4点目だ。試合終盤、長い縦パスを受けて最終ライン裏へ飛び出し、絶妙なトラップで足元に収めてGKとの1対1を制した。
第2ステージの個人テーマは「一喜一憂しないこと」。目指すのはあくまでシーズン後の結果だ。気を引き締めたまま、後半戦も走り抜く。