新型コロナウイルスの感染拡大で公式戦の中断が続くJリーグ。県内各クラブは試合や練習公開に代わるファンサービスとして、会員制交流サイト(SNS)を活用した情報発信に力を入れている。選手が質問に答えたり、子どもたちの宿題代わりに練習動画をアップしたりと工夫を凝らし、再開を待つサポーターらを楽しませている。
「好きな女性のタイプは、妻です」―。J1川崎は今月上旬から、公式ツイッター上で「#教えて○○さん」と題した企画を実施。約37万人のフォロワーから選手への質問を募集し、可能な限り回答を返信する双方向の取り組みだ。
クラブ担当者は「コロナ対策でサポーターは練習も見学できない。何かできないか中村選手と雑談した中で始まった」と話す。MF中村にはサッカーだけでなくプライベートな質問も寄せられ、楽しみながら約30分間で計37問に答えたという。
クラブによると、質問募集の投稿だけで14万超のインプレッション(閲覧数)を記録。担当者は「SNSは、はやり廃りがあるので、今後も試行錯誤しながらサポーターに喜んでもらえる企画を行いたい」と思案を巡らせている。
中村は自身のツイッター上でも「止めて蹴る」を意識した対面パスの動画を投稿。するとフォロワーから「うますぎる」「こういう細かい技術が重要なのか」といった反応が寄せられた。
3児の父で10月に40歳となる大ベテランは「子どもたちはいま、みんなで集まってサッカーの練習ができない。こういう時こそ選手は積極的に発信する必要がある」と語る。
湘南は「宿題」動画
J1湘南は今月上旬、一時活動休止となった約2千人のスクール生向けに、トップチームの選手をモデルにした宿題動画を計12本公開した。MF斉藤は自身の持ち味である相手からボールを奪うこつを紹介し、DF石原広はドリブルのテクニックを披露。生徒からは「プロの技術を教えてもらえてうれしかった!」「動画で見たことを練習でチャレンジしたい」との声が上がった。
育成組織出身で21歳の石原広は「子どもたちに対してどう伝えたら分かりやすいのか、考えるのが難しかった。少しでも恩返しできたら」と話す。
クラブは23~27日の午後2時から30分間、クラブの公式インスタグラム上に日替わりで選手2人が登場し、トークを披露するという。選手会長のDF大野は「サポーターの皆さんはそろそろベルマーレロスだと思うので、少しでもベルマーレ愛を感じてもらえたら」とコメントしている。