
サッカーの天皇杯全日本選手権(日本サッカー協会、Jリーグ主催、共同通信社、NHK共催)第3日は21日、茨城・カシマスタジアムなどで2回戦32試合が行われ、初戦のJ1勢で前回準優勝の川崎や横浜M、浦和、G大阪は順当勝ちした。FC東京、札幌、仙台、甲府が姿を消した。2連覇を狙う鹿島は日本フットボールリーグ(JFL)のマルヤス岡崎(愛知)に5-0で大勝した。
FC東京はJ3の長野に対し、1-1からのPK戦に4-5で敗れた。札幌は初出場のいわきFC(福島)に延長の末、2-5で苦杯。仙台は筑波大(茨城)に逆転負けし、甲府はJFLのヴァンラーレ八戸(青森)に競り負けた。
3回戦は7月12日に実施される。
ベテランが存在感
格下を攻めあぐねる悪いムードをベテラン田坂が一蹴した。
0-0で迎えた前半29分。中央右、ゴールまで約20メートルの位置で家長からパスを呼び込んだ。「アキ(家長)からボールが来た時点でコースが見えていた」。狙い澄ました低空ミドルで左ネットを揺らした。
立ち上がりから引いた相手を崩し切れない展開だったが、「そこまで大喜びする相手でもないので」と今季初得点にもガッツポーズは控え目だ。
もともとは攻撃的MFだが、守備陣にけが人が続出した影響で昨季途中に最終ラインへとコンバート。今季も開幕から確かな対人守備で存在感を発揮している。
もちろん、先制シーンで見せた勝負どころでの攻撃力も背番号6の魅力。17日の広島戦からスタメン全員を入れ替えた一戦で、定位置再奪取へのアピールにも成功した。
この日は「いつ以来か覚えていない」というキャプテンマークを巻いてピッチに立った31歳。「年齢も上の方だし、チームをまとめないといけないという気持ちは特に強かった」というキャプテンシーで17大会連続の初戦突破へ導いた。
若手主体で3得点
前回4強の横浜Mは若手主体で臨み3得点快勝。過去2大会は初戦で延長までもつれただけに、モンバエルツ監督は「カップ戦は勝ち抜くことが一番重要。達成できてよかった」と、90分間の決着に満足していた。
先制点は前半43分。「シュートが少なかったので、強引にでも打とうと思っていた」というFW富樫がMF中島のパスでゴール右へ抜け出し、反対サイドを打ち抜いた。相手の運動量が落ちた後半も2得点。終了間際に1点を返されたが、JFLクラブの挑戦を難なく退けた。
18日のリーグ戦から先発全員を入れ替え、チームの底上げにもつなげた。2種登録で公式戦初先発の17歳MF山田は「プロのチームメートと試合を重ねることで、スピードや判断が少しずつ速くなっていると思う」と成長を口にしていた。

