第56回県高校総体兼全国高校総体(インターハイ)県予選会(県高体連など主催、神奈川新聞社など後援)は16日、サッカー、柔道、剣道などで熱戦を展開した。
サッカー男子は等々力陸上競技場で準決勝2試合が行われ、桐光学園と三浦学苑がインターハイ出場権を獲得した。桐光は厚木北を1-1からのPK戦で下し、三浦学苑は東海大相模に2-1で競り勝った。
柔道の団体は男女ともに桐蔭学園が優勝。男子は2年連続7度目で女子は7年連続11度目。剣道の男子団体は弥栄が初の頂点に立った。
桐光、底力PK戦制す
9人目までもつれたPK戦。最後は途中出場のMF松永が豪快にネットを揺らした。エース小川(現J1磐田)を擁した2015年以来のインターハイ出場に、桐光学園イレブンは喜びを爆発させた。
守りを固める厚木北に先制を許し、後半残り10分まで無得点。崖っぷちの名門は底力を試され、そしてはい上がった。後半33分、右CKからDF岡が頭で合わせて同点。鈴木勝大監督(40)は「セットプレーは磨いてきた。今年のチームは地力がある」とうなずいた。
けが人が相次いだGK陣で、大一番に先発した1年生北村は前半36分、ロングボールの目測を誤って失点したが「必ず挽回したかった」とPK戦で奮起。主将のDF望月も昨冬の全国選手権県予選決勝のPK負けを思い出し「あの悔しさを全員が自信につなげた」。
「やっとインターハイだ」。控室で雄たけびを上げる教え子たちに、指揮官は「今まで縁遠かった舞台。また成長のストーリーを描ける」と目尻を下げた。望月も「目標はベスト4。どこまで通用するか楽しみ」。夏の全国でこの強さをさらに磨き上げる。
三浦学苑、気迫で粘勝
6年ぶりの全国切符を気迫の守備で手繰り寄せた。関東大会県予選で苦杯を喫した東海大相模の猛攻をしのいだ三浦学苑。ゲームキャプテンのMF能勢は「トーナメントの借りはトーナメントで返すという気持ちが強かった」と勝利の余韻に浸った。
2点を先行して迎えた後半はJ2甲府内定のMF中山を擁する前年王者に試合を牛耳られたが、戦術と高い集中力で対抗した。能勢、末次のダブルボランチが中央の危険地帯を締め、ボールをサイドへと追い込む。GK浅岡は抜群の反応で相手の決定機をつぶし、枝村隼人監督(33)は「あれが勝利を手繰り寄せた要因だった」とたたえた。
全国総体で初出場初優勝の快挙を成し遂げたのは2012年。以降は県総体ではベスト8が最高と苦しい時を過ごしていたが、指揮官が「個性が強くてまとまりにくい」と当時に重ね合わせる個性派集団が再び全国への扉をこじ開けた。
決勝の相手はくしくも6年前と同じ桐光学園。「まずは桐光を倒して、全国で自分たちの新しい歴史をつくっていく」と能勢は力強く誓った。