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4強激突 25日、全国高校サッカー県2次予選

サッカー | 神奈川新聞 | 2017年11月23日(木) 11:38

写真右から、豊富な運動量でチームを引っ張る桐蔭学園DF岩本。右サイドで存在感を見せる湘南学院DF小澤。2次予選3試合で5得点を挙げた三浦学苑FW松尾。桐光学園の攻守の要・田中
写真右から、豊富な運動量でチームを引っ張る桐蔭学園DF岩本。右サイドで存在感を見せる湘南学院DF小澤。2次予選3試合で5得点を挙げた三浦学苑FW松尾。桐光学園の攻守の要・田中

 サッカーの第96回全国高校選手権県2次予選は25日、ニッパツ三ツ沢球技場で準決勝が行われる。第1試合は、6大会ぶりのベスト4に進出した三浦学苑と2連覇中の王者・桐光学園が激突。第2試合は、4連覇を果たした2003年以来となる決勝進出を狙う桐蔭学園と創部初の4強入りした湘南学院が対戦する。今夏の全国高校総体(インターハイ)代表2校が準々決勝で敗れるなど、波乱含みの今大会。各校のキーマンを紹介する。

桐蔭学園×湘南学院

豊富な運動量が武器
桐蔭学園DF 岩本卓也


 3大会ぶりにベスト4に名を連ねた桐蔭学園。ここまで全3試合で1点差のゲームを競り勝ってきた勝負強さを支えるのがDF岩本卓也だ。

 「うちのストロングポイント。個人技で打開する能力を持っている」と蓮見理志監督代行(34)がキーマンに挙げる3年生。準々決勝の日大戦では右サイドを縦に突破して先制点の起点となるなど、何度もチャンスを作り出してきた。

 最大の武器は、憧れの長友佑都(インテル・ミラノ)のような豊富な運動量と抜群のスピードだ。「球際で当たり負けしない身体能力には自信がある。相手の流れを断ち切っていきたい」と岩本は意気込む。

 6月の県総体は16強に終わった。雪辱に燃えた8月に左太ももを負傷して戦列を離れた時期もあっただけに、今大会に懸ける思いはひとしおだ。

 14年ぶりの頂点まであと2勝。準決勝の相手は、日大藤沢を下して勢いに乗る湘南学院だ。「自分が試合を決めるんだという強い思いで戦い抜く」。熱く語る背番号5が全国への扉を開く。


豊富な運動量でチームを引っ張る桐蔭学園DF岩本
豊富な運動量でチームを引っ張る桐蔭学園DF岩本

 いわもと・たくや DF。3年。172センチ、73キロ。桐蔭学園中(東急レイエス)出身。

堅実な守備持ち味
湘南学院DF 小澤恭也


 準々決勝では夏の全国総体準優勝の日大藤沢を破り、創部18年目で初のベスト4に進出。湘南学院の主将DF小澤恭也は「周りが無理だと思っても、それをひっくり返せる力を持っている」とチームの勢いを実感する。

 J2横浜FCの育成組織出の右サイドバックで堅実な守備が持ち味だ。「ボールを持ったら逆を狙うことも考えている」と相手の意表を突くプレーも得意とし、2回戦の横浜創英戦では右からのカットインでスルーパス。決勝点をアシストした。

 所属する県リーグ2部では3連敗で今季を終えたが、ここから1週間でチームを立て直し、優勝4度の強豪・日大藤沢を相手に番狂わせを演じた。

 小澤には忘れられない試合がある。昨年の桐蔭学園との3回戦。0-0の後半ロスタイムに味方が先制するも、直後に追いつかれ、PK戦の末に涙をのんだ。

 雪辱の舞台は準決勝で巡ってきた。「リベンジの思いをプレーで表現できればいい」。神奈川の頂まであと二つだ。


右サイドで存在感を見せる湘南学院DF小澤
右サイドで存在感を見せる湘南学院DF小澤

 おざわ・きょうや DF。3年。171センチ、64キロ。市場中(横浜FC鶴見)出身。

三浦学苑×桐光学園

重圧を力に変えて
三浦学苑FW 松尾凌我


 3戦連続の5得点と絶好調のエースだ。三浦学苑を6大会ぶりの4強に導いたFW松尾凌我は、「自分が点を取れば勝てるし、重圧を力に変えて戦えている」と自信に満ちている。

 3年分の成長を示した準々決勝の後半。敵陣右から中央へ長い距離を1人でボールを運び、ペナルティーエリア手前で相手DFに囲まれた瞬間に意表を突くトーキック。勝利を決定づけるチーム3点目を挙げた。

 もともとゴール前の駆け引きが得意な「ワンタッチゴーラー」は高校でドリブルを磨き、最前線で孤立しても簡単にはボールを失わなくなった。左膝を痛めた今夏も「自分を見つめ直す機会になった」。日本代表選手のSNSを参考に、家族の協力で食生活を改善。接触プレーに負けない体づくりに努めてきた。

 J1横浜Mの育成組織出身。ユースには上がれなかったが、既にトップチーム昇格を決めた中学時代の仲間の存在を励みにする。「自分も大学に進んでプロに行きたい」。今度は選手権の舞台で自身が活躍する番だ。


2次予選3試合で5得点を挙げた三浦学苑FW松尾
2次予選3試合で5得点を挙げた三浦学苑FW松尾

 まつお・りょうが FW。3年。172センチ、65キロ。永田中(横浜M)出身。

集大成へ緩みなし
桐光学園MF 田中雄大


 3連覇を狙う桐光学園の中盤には、頼もしいキャプテンがいる。攻守に献身的な働きを見せるMF田中雄大は「チームとしてまとまっていかないと勝てない」と集大成の冬へ緩みがない。

 U-18(18歳以下)日本代表にも選ばれたテクニシャンは、最終学年を迎え泥くささを身に付けた。「自分だけ良ければいいということはない。苦しいときに何ができるかだと思っている」。1、2年時には届かなかった一歩が瀬戸際で出る。「スライディングをしないところでも体を張らなきゃいけない。チームのためを一番に考えている」

 その姿に誰より目を細めるのが鈴木勝大監督(39)だ。「いろんな意味で苦楽を2年間味わってきた。先頭になって悔しさを一つ一つ晴らしてほしい」と、全幅の信頼とともにキャプテンマークを託す。

 前回は全国選手権初戦で敗れており、雪辱の思いは強い。「1、2年だけ出て3年で出ないのは屈辱。目の前の試合を見てしっかり準備したい」と田中。神奈川を勝ち抜いた先が出発点だ。


桐光学園の攻守の要・田中
桐光学園の攻守の要・田中

 たなか・ゆうだい MF。3年。162センチ、60キロ。麻生中(FC多摩)出身。

 
 

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