明治安田J1第2ステージ第12節、湘南-横浜Mの「神奈川ダービーマッチ」は26日午後3時、湘南の本拠地、ShonanBMWスタジアム平塚でキックオフする。
第2ステージの順位は横浜Mが6位で、湘南が9位。年間勝ち点でも7位の横浜Mが9位の湘南に勝ち点で6差つけているが、既に残留争いの戦いから抜け出ている湘南だけに、見どころの多い一戦になりそうだ。
注目は、リオデジャネイロ五輪を目指すU-22(22歳以下)日本代表選手の若き2人。湘南・遠藤と横浜M・喜田の激突からも目が離せない。
DF遠藤、成長を証明
現在6戦負けなしと好調の相手だからこそ申し分ない。リーグ戦で10連敗中と圧倒的に分が悪い横浜Mとのダービーだが、成長を見せつける格好の一戦でもある。
8月の東アジアカップで日本代表デビューを果たし、名実ともに湘南の顔になった遠藤が言う。「いかに上位に勝っていくかは第2ステージの課題。調子のいい相手に勝ってこそ、自分たちの力を証明できる」。ひるむ様子は全くない。
第1ステージは自陣でブロックを組む横浜Mを攻めあぐね、0-3で完敗。自慢のカウンター攻撃は鳴りを潜めた。それでも、攻守の要は「いつも通り前に行くこと、攻守の切り替えを早くすることを90分通してやれるかが大事」。今季J1の舞台で磨き上げてきたスタイルで再び挑む。
今節で湘南が勝利し、16位の松本が引き分け以下に終われば、5試合を残してJ1残留が確定。ただ、背番号3は「そこ(残留)を目標としてやっていたわけではない。今は下を見ず、上だけを見てやっていきたい」と力強い。2010年、13年とわずか1年で降格を味わってきた負の歴史を払拭(ふっしょく)し、強豪への一歩を踏み出すチャンスだ。
MF喜田、貪欲姿勢
ここまでの飛躍を誰が予想できただろうか。昨季までのプロ2年間でリーグ戦出場2試合だったユース出身の喜田は、ここまで20試合出場。「喜び、責任を感じてプレーしている」と表情を引き締める若武者に、モンバエルツ監督は「彼は我々(横浜M)のシャビだ」と、2010年ワールドカップで初優勝した元スペイン代表の名MFを引き合いに出すほど信頼を寄せている。
鋭いボール奪取と運動量が持ち味のボランチ。「湘南もアグレッシブな相手だが、そこの勝負では負けたくない。そこで上回れば結果も付いてくる」と真っ向勝負を宣言する。そんな気概も何よりの武器としている。
U-22日本代表で主将を務める遠藤は2学年年上で、昨秋の仁川アジア大会でのチームメート。代表でアピールする立場の自らと違って「わっさん(遠藤)は誰もが認めている選手。フル代表の指標」という。
だが、リーグ戦で湘南相手には10連勝中だ。所属クラブでの戦いで譲る気はない。「チャンスがあれば初ゴールも狙いたい」。貪欲な姿勢でダービーを制し、代表での定位置取りを猛アピールするつもりだ。