J1湘南などでFWとして活躍した石原直樹氏(37)が2日、レモンガススタジアム平塚で引退会見を開き、現役時代の思い出を振り返りながら「もし指導者の道に進むならば、ベルマーレの監督をやってみたい」などと今後の抱負を語った。
主な一問一答は次の通り。
―どのようなプロセスを経て引退を決めたか。
「湘南に戻ることが決まった時から最後は湘南で引退したい気持ちだった。昨シーズン終了後、クラブから違う形で力を貸してほしいという話があり、湘南で引退したいという気持ちとまだまだ続けたいという気持ちがあった。しかし、どのクラブでもいいという気持ちは僕の中ではなくて、その中でなかなか決断できない自分がいた。時間がたつにつれて整理ができ、このタイミングでの報告になった」
―誰かに相談は。
「僕のことを気に掛けてくれる方や、仲良くしてくれる人もいた。この先1年、2年、年齢的にも長くない。どこで区切りをつけるかを総合的に判断して、最後は家族と話して決めた」
―19年間を振り返ってどんなサッカー人生だったか。
「無名の僕を湘南ベルマーレがキャリアのスタートとして取ってくれた。そこから僕自身も19年できるとは思っていなかった。あとは大宮、広島、浦和、仙台と各クラブで成長できたのかなと思う」
―現在、アンバサダーとして活動しているが、改めて抱負を。
「選手とは違った立場でクラブの力になれる。湘南を知ってもらい、ベルマーレの価値を上げたい。お世話になったクラブなので恩返ししていきたい。スクールやアカデミーなど子どもたちの所にも顔を出したい」
―この先、指導者になりたいという考えは。
「自分がこれからどういう道に進むかは、今すぐ決めないといけないというわけではないので。今のアンバサダーという仕事をして方向性を決めたい」
―将来の夢は。
「夢ですか? まだはっきりはしていないけど、指導者の道に行くならばベルマーレの監督としてやってみたい」
―ベルマーレで印象的だった出来事は。
「19年前にいたクラブよりも大きくなっているのは戻ってきて感じた。あとは戻ってきた時の初ゴールというのは印象に残っている。2020年のホーム開幕戦。対戦相手は所属していた浦和で、僕の中では熱くなるゲームだった。そこでのファーストゴール。Jリーグの中で1号だったことを記憶しているが、いろいろな感動が重なった中でのゴールだった。戻ってきて最初のホームゲームだったので、年齢的にもまだまだ見せたいと思っていたので、結果を残せたのは良かった」
―長い間やり続けられた原動力とは。
「湘南に入った時も、大宮や浦和、広島にいた時もそうだが、難しいと感じることや大きな壁はあった。それでも、先輩や周りの人の話を聞いて、なんとか乗り越えようという気持ちでやってきた。それで選手として、人として成長できたと思う」
―まだまだ体は動くのではないか。
「正直、やりたい気持ちの方が強かった。だけど、どのクラブでもいいという気持ちはなかった。ことし38歳の年。残りの選手生活が見えている中でやるべきか、辞めるべきかの二択になった時に『湘南で始まり湘南で終わりたい』と時間がたつにつれて納得できるようになった」
―湘南のサポーターへ一言。
「19年間、応援ありがとうございました。長いようで短いサッカー人生でしたが、石原直樹というサッカー選手の名を残せたと思う。みなさんの声援が力になった。感謝したい。また次の自分の夢に向かって、しっかり歩んでいきたいと思います。本当にありがとうございました」
元湘南・石原直樹氏に聞く 19年間のサッカー人生とは?
引退会見で現役時代を振り返る元湘南の石原直樹氏=レモンガススタジアム平塚 [写真番号:1070943]
自身のシューズを持ち、撮影に応じる石原直樹氏=レモンガススタジアム平塚 [写真番号:1070936]
現役最後のシーズンとなった2021年、本拠地の平塚でプレーする石原直樹氏 [写真番号:1070937]