全国高校サッカー選手権(28日開幕)は、本年度で節目の100回を迎える。奥寺康彦(相模工大付)、堀孝史(鎌倉)、森岡隆三(桐蔭学園)、中村俊輔(桐光学園)、小林悠(麻布大渕野辺)の記憶とともに、神奈川の高校サッカー史を振り返る。

番狂わせの主役は鎌倉の1年生ミッドフィルダー、堀孝史だった。
1983年11月7日、三ツ沢球技場。全国高校選手権県予選決勝で顔を合わせたのは、2年生エース福田正博(元J1浦和)を擁する相模工大付(現湘南工大付)と初の栄冠を狙う鎌倉。過去6度の優勝を誇る私学が優勢との下馬評も、開始の笛が鳴ると、泥くさくハードワークする公立校が主導権を握った。
後半16分に右CKの混戦から先制点を奪ったのは、途中出場の堀。「まだ1年生だったので、試合に出て活躍したいぐらいのことしか考えていませんでした」。無我夢中で虎の子の1点を守り切り、創部29年目にして全国の扉をこじ開けた。
公立の黄金時代を生きる
神奈川勢の記憶(3)堀孝史 公立の雄、強豪私学下す主役
相模工大付(現湘南工大付)との県予選決勝で先制ゴールを決めた堀(左)=1983年11月、三ツ沢球技場 [写真番号:940957]
現在はJ2東京Vで監督を務める堀 [写真番号:940958]