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板飛び込み・坂井丞
神奈川からリオへ メダルへのダイブ(下)「一番いい色持ち帰る」

その他スポーツ | 神奈川新聞 | 2016年4月21日(木) 09:58

寺内健(左)は坂井丞にとってパートナーであり、師でもある =昨年7月の世界選手権、カザニ(共同)
寺内健(左)は坂井丞にとってパートナーであり、師でもある =昨年7月の世界選手権、カザニ(共同)

 ロンドン五輪を逃した2012年2月のワールドカップ(W杯)からさかのぼること7カ月。リオデジャネイロ五輪飛び込みの男子板飛び込み代表、坂井丞(23)=ミキハウス=が転機と振り返る一戦がある。

 11年7月、中国・上海での世界選手権。決勝の12人に進出すればロンドン五輪出場枠を獲得できるという舞台で、「五輪に出られるとは思っていなかった」と無欲だった当時18歳の若者は面白いように演技を決めた。

 予選を7位で通過し、準決勝も最後の6回目の試技を残してノーミス。「あれ、これは行けるんじゃないか」。望んでもいなかったロンドンへの道が開けようとした瞬間、希望が落とし穴に変わった。

 6回目で3メートル先の水面に背中から落ちた。「あんな失敗したことがなかった」。結果は13位。しかし、坂井はこの失態こそターニングポイントと受け止めている。

 「五輪が自分でも行ける場所だと気付けた試合だったし、一方で弱さや意識の低さも思い知らされた」。4年に1度の祭典への切符を手にしかけた経験は苦さだけだけでなく自信も与えていた。
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 5年前の夏の世界選手権でつかんだ手応えを、ことし2月の五輪最終予選となるW杯で形とした今、坂井は技の幅を広げようと、肉体改造に取り組んでいる。

 15年春にミキハウスに入社した後、トレーナーをつけてのトレーニングを取り入れた。

 「見てもらっている人が体操と(スキーのフリースタイル競技)エアリアルの経験者でひねりに詳しい。飛び込みの筋力はついているけど、他の筋力はついていないと言われて一からやってもらった」。ひねりを加える上で必要不可欠な筋力が目に見えて高まってきているという。

 憧れの存在が同じチームメートとして近くにいるのも大きい。1996年のアトランタから4大会連続で五輪に出場し、昨夏の世界選手権でリオデジャネイロ五輪出場を決めた寺内健(35)=ミキハウス=だ。

 北京五輪後一時引退したものの、再度復帰した日本飛び込み界の第一人者とは、2人で一緒に飛び込むシンクロ板飛び込みでパートナーを組んでいる。五輪最終予選のW杯ではシンクロで出場枠を逃した翌日、寺内から付きっきりで本命の板飛び込みに向けて教えを受けていたという。

 「どこがおかしいのかというのを見てもらえたからいい方向に進んだ」と感謝し、「健君がやめるときは(自分は)そこまでの選手じゃなかった。帰ってきて一緒に戦えるぐらいになれたのがうれしい」。遠かった背中はこの4年で着実に近づいている。
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 リオデジャネイロは屋外プール。天候に大きな影響を受ける。

 「構造的に横風と正面からの風がある。夜はめちゃくちゃ寒かった」。気温の高低で飛び込み板の柔らかさも変化する。ただ、コンディションの難しさは有力選手の乱れを生む可能性もある。それは坂井にとってチャンスを意味する。

 「低い難易率(技の難しさを示す難度)でも勝てるようになったし、怖い存在にはなっていると思う」。そう言いつつも「難易率を上げて挑戦しないとメダルには近づけない。今のままだと失敗待ちが前提」と自分の世界での立ち位置を理解している。

 昨年10月に結婚した。「自立したかった」と見せた照れ笑いをすぐにしまい、頬を引き締めた。「五輪に行って終わりじゃ意味がない。一番いい色のメダルを持って帰ってこられるように頑張りたい」


寺内健(左)は坂井丞にとってパートナーであり、師でもある =昨年7月の世界選手権、カザニ(共同)
寺内健(左)は坂井丞にとってパートナーであり、師でもある =昨年7月の世界選手権、カザニ(共同)

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