「試合重ねるごとに成長」
世界への登竜門、ボクシングの東日本新人王決勝が2日、東京・後楽園ホールで開かれる。注目はライト級(61・23キロ以下)の横浜高3年、平岡アンディ(花形)。陸上中長距離との二足のわらじを履きながら、昨年12月のデビュー戦以来5戦5勝(3KO)と負けなしの強さを誇っている。世界王者を夢見る18歳が一つ目のタイトルを取りにいく。
平岡は順調に階段を上っている。
デビュー戦こそ硬さが見られたが、東日本新人王トーナメントは1回戦から終始主導権を握って勝ち上がり、準決勝も4回TKO勝ち。「試合を重ねるごとに指示されたことをできるようになってきた」。減量苦を避けるため1階級上での挑戦だが、その影響を全く感じさせない。
アマチュアのリングは踏んでいない。後の世界王者の多くが踏んできたこのトーナメントは、試合勘を養う貴重な場とも考えている。
「攻撃の選択肢が増えたと思う。相手のタイプによって良くなったり悪くなったりがあったけど、最近はそれがなくなった」。長いリーチと天性のスピードを生かしたアウトボクシングだけでなく、接近戦にも強みを発揮してきている。
陸上選手としても期待を背負う。決勝の6日後の8日には、今度は拳ではなく、健脚を披露する舞台が控える。
優勝候補の一角、横浜高の一員として臨むのは県高校駅伝。17キロの走り込みを行った夜に4ラウンドのスパーリングを行うなど、限界まで体を追い込む日々だ。
「何事も満足しないで貪欲に練習し、ステップを踏んでいきたい」。リングでもレースでも力は抜かない。東日本、そして、その先の全日本新人王を獲得し、日本ランクに入ってスタートラインに立ちたいという。
「決勝なので皆さんを楽しませるような試合がしたい。観客席の反応を力にしたいと思う」。プロボクサーの自覚も芽生えてきている。
◆ひらおか・あんでぃ 万騎が原中-横浜高3年。18歳。180センチ、65キロ。左ボクサーファイター。陸上中長距離の選手としても実力は高く、中学3年時に都道府県対抗駅伝の神奈川代表として出場している。
【神奈川新聞】