飛び込みの東京五輪最終予選を兼ねるワールドカップ(W杯=4月・東京)の代表選考会第4日は8日、東京辰巳国際水泳場で行われ、男子板飛び込みは21歳の須山晴貴(島根大)が派遣参考基準を突破する462・30点で勝ち、437・55点で2位に入った伊藤洸輝(日大、座間西中出身)とともにW杯出場を確実にした。
シンクロ板飛び込みの東京五輪代表、坂井丞(ミキハウス)は3位で、個人での五輪出場の可能性はほぼなくなった。
女子高飛び込みでリオデジャネイロ五輪代表の板橋美波(JSS宝塚)は286・90点の3位に終わり、個人種目での東京五輪出場は絶望的となった。
東京五輪代表の荒井祭里(JSS宝塚)が327・30点で1位、安田舞(エリートアカデミー)が2位に入り、W杯代表を有力にした。
20歳新鋭 伊藤 尊敬する先輩に勝ち自信
勢いに乗っている。男子板飛び込みは20歳の新鋭伊藤が2位。しびれるデッドヒートを制し、シンクロ高飛び込みに続きW杯出場を引き寄せた。
前半を終え、派遣ラインの2位争いは坂井との一騎打ちとなっていた。その差わずか6・45点。一つの失敗が命運を左右する5回目の演技だ。前逆宙返り3回半抱え型(307C)を成功させ、84・00点で再び2位に浮上すると、最終6回目も坂井を上回る78・20点で突き放した。
「点数を見ず、無心で飛ぼうと思っていた」と伊藤。眺め続けた背中を追い越し、声が弾む。「坂井さんに勝ったのは初めて。尊敬している先輩の一人から勝ちを取れたのは自信になった」