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刻む2019〈1〉記者の視点=運動部・矢部真太
ラグビーW杯 ワンチームが戻る日

その他スポーツ | 神奈川新聞 | 2019年12月19日(木) 16:40

 ラグビーは人の心を揺さぶる力がある─。学生時代に楕円(だえん)球を追った記者にとって、世界に感動を届けたワールドカップ(W杯)日本大会は、そう確信させてくれる夢の舞台だった。ジャパンは初の8強入りを果たし、神奈川が生んだ「BIG2」稲垣啓太選手(29)と、松島幸太朗選手(26)は主役として輝きを放った─。だが、師走になって大会を振り返りながら、何とも形容しがたい感情が、記者の胸の中で大きくなってくるのを抑えられないでいる。横浜にあの“ワンチーム”が戻ってくる日は、いつなのだろうか、と。


1部昇格の喜びを応援席の部員、OB、ファンらと分かち合う関東学院大フィフティーン=12月8日、埼玉・熊谷ラグビー場
1部昇格の喜びを応援席の部員、OB、ファンらと分かち合う関東学院大フィフティーン=12月8日、埼玉・熊谷ラグビー場

 彼は絶対に来るに違いない─。列島が熱狂したW杯閉幕から1カ月。根拠なき確信を抱いて記者は、W杯取材のために購入した双眼鏡をのぞきながら、スタンドを右往左往し、「笑わない男」を探していた。

 7年前のこの日、この場所で、一人涙を流さず、歯を食いしばりうなだれていたのが今やジャパン不動のプロップ稲垣選手だ。主将を務めた関東学院大を31季ぶりの2部に降格させた瞬間から、重い十字架を背負い続けてきた。悪夢として語り継がれる「12・8 熊谷ラグビー場」。運命の日に、運命の場所で、関東大が再び1、2部入れ替え戦に挑むのだ。

 W杯開幕前、稲垣選手は記者の取材に「あの負けが僕を突き動かしている」と語っていた。だから日本代表のFWリーダーを務め、「選ばれる人間には責任が宿る」と公言する男は、必ず原点に帰ってくるはずだと思い込んでいた。

 稲垣選手がW杯初出場した4年前にも、関東大は1部昇格していた。その際には応援に駆けつけ、インスタグラムに「2部に落とした張本人なのでとてもうれしい。カントーコールがまた聞けて気持ちよかった」とつづっていた。自身が主将だった7年前を知る3学年下の後輩たちに「申し訳ない」との思いを抱いてきた先輩らしい振る舞いだった。

 だが、今回は母校が1部復帰を決めた祝福の一戦に、その姿はなかった。

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