ラグビーのワールドカップ(W杯)で過去最高の8強入りを果たした日本代表のWTB松島幸太朗(26)=サントリー、桐蔭学園高出身=は8日、東京・サントリー府中スポーツセンターで報道各社のインタビューに応じた。激戦を戦い抜いて届かなかった4強入りへの思いや、今後の自身のキャリアなどについて聞いた。

-前回に続き2大会連続で全試合に出場した。手応えを感じたことやベストプレーは?
松島 全試合に出られたのは良い経験。5試合を通して安定したプレーができたのは自信になった。ステップワークで前に出る場面が多く、試合のたびにマークが厳しくなったがスコットランド戦では(稲垣のトライにつながる)突破もできた。南アフリカ戦のハイボールキャッチがベストプレー。大会前のテストマッチではやられていたのでフィジカルで勝負できたことは成長の証し。
-前回から主将リーチは頼もしかったのでは。
松島 本当に器が大きい人。ノートをいつも持ち歩き、チームのことを考えている。キャプテンとして重圧に耐えられる精神があったし、コミュニケーションを取り、良い環境をつくってくれた。
-大会を通じて「ワンチーム」になった。
松島 チームの強い絆を感じたのはアイルランド戦。個人のことは考えていなかったし、タックル成功率が高かったのは意思統一が取れていたおかげ。フィールドの15人だけでなく、全員が「これは、勝てる」という気持ちを持っていた。
-優勝は準々決勝で敗れた南アフリカ。初の黒人主将・コリシが率いていた。
松島 単純に自分たちに勝った国が優勝したのはうれしい。その半面、やっぱり勝ちたかった。南アは子どもの頃に貧しかった経験がある選手が多く、必ずハングリー精神を持っている。コリシ主将はすごい情熱家で良い人。「本当におめでとう」と伝えたい。
-南アのWTBコルビと言葉も交わした。
松島 シャークス・アカデミー留学中に試合をしたのでお互い覚えていたし、トップレベルで試合ができて良かった。当時は細身ですぐ倒れるような印象だったけど、いまは腕がごつい。速すぎて捕まらないし、やっぱり止めるのは難しい存在。
-4年後へどういうキャリアを歩みたいか。将来は世界最優秀選手に選ばれるようなプレーヤーにもなりたいか?
松島 厳しい環境に身を置きたいし、ヨーロッパのチームでプレーしたい。FBで出られるところがあればうれしい。仲間の使い方も学びたい。(最優秀選手は)そのために海外でプレーするのが一つの手段。世界に通用する選手になって賞を狙える位置に立ちたい。
-ジャパンで桐蔭学園高の出身者は松島選手だけだった。4年後は一緒にプレーしたいか。
松島 FW堀越(サントリー)は落選して悔しがっていたし、次に向けてモチベーションになるはず。SH斎藤君(早大4年)もハングリー精神がある。良いSHの選手が増えているのでこれからが面白いはず。