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ラグビーW杯
【BIG2 歴史の創造者】(上)世界の松島へ飛躍を

その他スポーツ | 神奈川新聞 | 2019年10月22日(火) 05:00

【日本-南アフリカ】ノーサイドのホイッスルを聞き、ピッチに膝をつく松島 =20日、東京・味の素スタジアム
【日本-南アフリカ】ノーサイドのホイッスルを聞き、ピッチに膝をつく松島 =20日、東京・味の素スタジアム

 ラグビーのワールドカップ(W杯)で過去最高の8強入りを果たした日本が準々決勝で敗退し、初の地元開催の戦いを終えた。攻守の要として躍進を支えたWTB松島幸太朗(26)=サントリー、桐蔭学園高出身=とプロップ稲垣啓太(29)=パナソニック、関東学院大出身=の「BIG2」を通し、新たな歴史を刻んだジャパンの戦いを振り返る。

5トライ 成長を誇示

 孤高のフィニッシャーは涙が止まらなかった。20日の準々決勝・南アフリカ戦後、WTB松島幸太朗は自陣ゴール前で片膝立ちし、物寂しげな表情で夜空を見つめていた。「ここで終わるのかという気持ちもあった。だけど、同時にプレッシャーから解放されたという感覚にもなった」。複雑だが、素直な思いだった。

 1次リーグで挙げたジャパンの13トライのうち松島の5本はW杯で日本選手歴代最多。しかし、一発勝負の「ファイナルゲーム」は勝手が違った。優勝2度を誇る南アフリカの圧力を受けてノートライ。「(南アは)決勝トーナメントを何回も経験していて、プレッシャーを与えることが上手だった」と振り返る。

 特に後半は度重なる反則などで日本の守りの規律が乱れた。残り10分、松島は一回り体の大きな相手WTBマピンピに振り切られ、決定的なトライを許している。未知の領域に足を踏み入れ、力の差を知った。

タフさ増し


南アフリカに敗れ、涙ぐむ(左から)松島、姫野、松田=味の素スタジアム=共同
南アフリカに敗れ、涙ぐむ(左から)松島、姫野、松田=味の素スタジアム=共同

 生まれ育った「故郷」南アを破り、「ブライトンの奇跡」と呼ばれた2015年大会。松島は22歳で1次リーグ全4戦に出場しながら1トライに終わっていた。強豪相手にタックルを簡単にはじかれることも多く、攻守に不完全燃焼だった。

 この4年間、体格差のある相手に真正面から当たっても負けない力を磨いてきた成果は、南ア戦のハイボール処理に表れた。高く蹴り上げられ、大柄な相手FWが押し寄せてくる状況にも冷静に対応。「あれだけ蹴ってきてしっかり捕れるところがあって自信を持てた。自分のベストプレー」と誇ったように、空中戦の競り合いでは互角以上に戦った。

 トライを取り切ることでもタフさは通じた。ランやステップワークで相手守備の間隙(かんげき)を縫うシーンが注目されがちだが、13日のスコットランド戦ではプロップ稲垣啓太の代表初トライにつなげるビッグゲインも見せている。

 ジャパンの8強入りを支え、敗れてなお「トライ王」争いのトップタイに立つ。ロシアとの開幕戦では日本選手初となる衝撃のハットトリックをマーク。攻撃の代名詞になったオフロードパスから、狭いスペースでもフィニッシュに持ち込めるようになった。

 「ティア1(強豪10カ国・地域)」と呼ばれる伝統国からは「マツシマは危険だ」「スピードをコントロールしないといけない」と警戒される存在になったのが、大きな成長の証しだ。

海外に挑戦


日本-南アフリカ 後半、南アフリカのP・デュトイ(7)と競り合う松島。奥はリーチ=味の素スタジアム=共同
日本-南アフリカ 後半、南アフリカのP・デュトイ(7)と競り合う松島。奥はリーチ=味の素スタジアム=共同

 南ア戦後の取材エリアでは、今後のキャリアへの質問も飛んだ。桐蔭学園高を卒業後に「日本にとどまるのはもったいない」と藤原秀之監督(51)の勧めで南アに武者修行したように、4年後をにらんで海外挑戦の可能性を探る。

 「海外のチームからオファーが来れば柔軟に考えたい。良いオファーがあれば行きたい」。今大会で自身が掲げた目標は「Best4」。そのギャップを埋めるものは何か-。世界に爪痕を残した松島は自らの伸びしろを信じている。

 島国にとどまらず、海を渡った先で手にできるのはスキルだけではない。「いろんな国の文化も、考え方もいっぱい学べると思う。世界に出て経験したい気持ちがある」。日本史上最高のトライゲッターは、新たな挑戦こそが自らの責務だと考えている。

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