門出の春を迎える。2020年度に入学した中高生の3年間は、新型コロナウイルス禍の感染リスクと隣り合わせだった。描いた通りの学校生活ではなくても、志を貫き、目指したものは変わらない。高みを目指し、次のステージへ羽ばたくアスリートたちを追った。

最高のフィナーレだった。厚木商高が昨夏の全国総体(インターハイ)で10年ぶりの全国制覇。2024年度に厚木東高との統合を控え、最後の単独出場での快挙に、球場は感動の渦に包まれた。その真ん中で、エース丸本真菜(18)が仲間と歓喜の涙を拭っていた。
統合前のため1年生はいない。3年12人、2年2人の14人で挑んだ山梨学院との決勝は過酷なダブルヘッダー。1回戦から全5試合に先発してきた大黒柱は、またも快投を演じた。
直前の準決勝で延長八回を零封し、サヨナラ勝ちを呼び込んだ主戦。ファイナルの好敵手を封じ込めたのも得意球のライズボールだった。「球の回転数や切れが増して、低めにコントロールできるようになった。体力的にきつかったけど、やりきれた」
1日100球以上投げ込み
ソフトボール 厚木商高・丸本真菜 名門のプライドを胸に
最後の単独出場となった厚木商高を全国制覇に導いたエースの丸本=昨年6月(藤江 広祐写す) [写真番号:1139316]
卒業後は実業団のトヨタ自動車へ進む厚木商高の丸本=1月30日、同高 [写真番号:1139317]