今年のニュースを神奈川新聞記者が回顧する「刻む2021」。第3回は五輪・パラリンピックの遺産。県内の競技の舞台で、人々の心に残されたレガシー(遺産)を振り返る。
1年の延期を経て、1964年以来57年ぶりに開催された東京五輪・パラリンピック。県内でも江の島や横浜などが競技の舞台となり、熱戦が繰り広げられた。大半は無観客になるなど新型コロナウイルス禍での異例の開催となったが、夢や感動とともに、多くのレガシーを人々の心に残した。
藤沢市の江の島ヨットハーバーを会場とした東京五輪セーリング競技大会を控えた7月22日、トレーニングを行う外国人選手団を乗せた大型バスが続々と島に入った。
市街地と島を結ぶ江の島大橋と島の入り口にある北緑地で各国選手団を迎えたのは、波の模様が描かれた緑色の浴衣を羽織った住民ら。バスが通るたび、大橋では東京五輪音頭を、北緑地では64年に東京五輪ヨット競技大会が江の島で開催された際に制作された江の島ヨット音頭を披露した。
まさか2度も踊るとは
五輪・パラリンピックの遺産 育まれた心、記憶こそ宝
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外国人選手団を江の島ヨット音頭で歓迎する江の島の住民ら=藤沢市江の島 [写真番号:937474]
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パラ競技に親しむ授業で、アイマスクをしてトーチを持ち、同級生に誘導されながら歩く児童ら=12月9日、横浜市立神奈川小学校 [写真番号:937475]