
“川崎の太陽”にさよならを―。J1川崎は6日、今季限りで退団が決まっているFWジュニーニョのお別れ会を等々力陸上競技場で行った。
雨天での開催にもかかわらず、約3500人のサポーターが来場。チームの後援会長でもある阿部孝夫川崎市長からジュニーニョに感謝状が贈られたほか、歴代監督やMF中村らがビデオメッセージで登場。9年にわたってチームを支えた功労者は、時折涙を見せつつ「ありがとう」とサポーターからの大声援に応えた。
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「アリガトウ」。スタンドのサポーターに、ピッチからたどたどしい日本語で、思いを伝えた瞬間、FWジュニーニョの頬を涙が伝った。
しかし、感謝の言葉を発したかったのはむしろ、小雨が降りしきる等々力に集まったサポーター、そしてチームメートたちの方だろう。
2003年に来日して以来、その決定力で一時はJ2に降格したチームを、J1の舞台へ引き上げた。J1制覇こそ果たせなかったものの、J1歴代5位の通算110ゴールの得点力は、間違いなくチームの顔だった。
「同期」として加入した、MF中村は「ジュニーニョに会っていなければ、日本代表にもなっていなかったと思う。こんなにシンクロできた選手はいない」とビデオレターで心強い相棒をたたえる。また元監督の関塚隆U―22(22歳以下)日本代表監督も「本当にクラブを成長させてくれた」と賛辞を惜しまない。
トップレベルのプレーで、チームを育ててきた“川崎の太陽”は、一度そのユニホームを脱ぐ。しかし、ストライカーは「自分のフロンターレでの歴史はまだ終わっていない。いつか、監督として帰ってきたい」とさらに成長した姿での、恩返しを大歓声に誓っていた。
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