関東高校水泳大会は23日に山梨県で開幕する。東日本大震災の影響で転校してきた競泳男子100メートル自由形の森山大誉(18)=県相模原3年=が、インターハイ出場を懸けて出場する。
あの日。岩手県大船渡市の自宅にいた森山は、近くを流れる川が逆流するのに気付き、家族とともに避難した。海からは約3キロ。自宅アパートは津波で半壊し、海の近くにあったスイミングクラブは建物ごと流された。
森山は中学3年で全国中学大会に出場。大船渡高でも国体やインターハイ出場を重ねてきた実力派。4月上旬に一家で相模原市内に引っ越し、県相模原高に転入した。一度は競泳を断念したが、偶然にも同市内のスイミングクラブに転職していた大船渡時代のコーチが誘ってくれた。
6月19日に相模原市立総合水泳場で開催された県高校総体100メートル自由形では、予選で54秒台をマークして、決勝では53秒82の自己ベストで6位入賞した。
私学の強豪選手がひしめく神奈川では、8位までの入賞者でただ一人の公立勢。森山は自己ベストを出せたことは刺激になったというが、「自信にはならない。上には上がいる。すごいなと思う」と感嘆した。
同校水泳部の政木佐和子顧問は「彼が入部してくれたことでモチベーションが高まった」と話す。森山は「関東大会ではインターハイの標準記録突破を狙いたい」と意気込んでいる。
◆被災地からの転入高校生 県教育委員会によると、被災地から神奈川県内の公立校へ転校した高校生は118人(6月24日現在)。そのうち18人は県高体連の大会出場が承認され、県高校総体に出場した。内訳はバスケットボールの7人が最多で、バドミントン4人、水泳2人、ソフトテニス、弓道、テニス、バレーボール、サッカーが各1人。
【】