陸上競歩会場となったポンタルは大西洋岸の風光明媚(めいび)な街だ。切り立つ崖からは世界的な観光地であるコパカバーナビーチが望める。
肌をくすぐる潮風は、地球の裏側の横浜の海をどこか思い出させた。競歩代表の松永大介は高校時代、朝日を浴びながら自宅から毎日歩いて登校していた。ただ、一心に日本一を目指していそしんだ。朝夕に眺めた海は世界へとつながっていた。
日本競歩界の歴史を変えた20キロ。「楽しくて気持ちがハイになった。4年後は必ずメダルを取る」。その表情は希望に満ちていた。踏みしめたのはまだ第一歩。表彰台への距離は近づいている。東京五輪で輝け。