フライングディスク(フリスビー)をつないで得点を競う「アルティメット」の世界選手権で、男子日本代表が準優勝した。選手兼監督として出場した大和市在住の吉川(きちかわ)洋平さん(39)は、チーム最多の20アシストを記録して躍進の原動力となった。
アルティメットは7人制で、縦100メートル、横37メートルのフィールドを用いる。アメリカンフットボールのように、ディスクをエンドゾーンまでパスでつなぐと得点になる。世界連盟は2024年の五輪種目化を目指している。
世界選手権は6月に英国ロンドンで開かれ、31カ国が出場。予選リーグを6戦全勝で通過し、決勝トーナメントでベルギーとオーストラリアを破って18年ぶりに決勝進出。発祥国の宿敵・米国に11対15で惜敗した。6度目の出場となった吉川さんは20アシストと12ゴールを決め、総合点で世界11位だった。
男子代表のこれまでの最高位は、吉川さんも出場した1998年の米国ミネソタ大会での準優勝。今回は優勝を目指した吉川さんは「層の厚さで米国との力の差はまだまだある」と悔しがった。
吉川さんは18歳で競技を始め、21歳で代表に初選出された。当時からエースとしてチームをけん引してきた。県立綾瀬養護学校の大和東分室で教諭を務めながら、大和市内で練習を続ける。「戦術次第で強くなれる。日本が世界に通じる競技の一つ」と信じる。
吉川さんと日本フライングディスク協会の齋藤勇太専務理事(25)は7月、大和市の大木哲市長を訪ね、銀メダルを披露。吉川さんはディスクにサインを添え、市に寄贈した。