
陸上の全国中学校大会(全中、8月21日から4日間・長野県松本平広域公園陸上競技場)の予選を兼ねた県中学通信大会が16日、平塚市のShonanBMWスタジアム平塚で開幕し、男女18種目の決勝などを行った。新たに12人が全国標準記録を突破し、県中学選抜大会と合わせて延べ82人が全中出場を決めた。
女子走り幅跳びは、藤山有希(足柄台)が6メートル02の県中学新記録で優勝した。同100メートルは、予選で12秒00の県中学新をマークしていた三村香菜実(西谷)が12秒10で制した。
男子400メートル決勝は新上健太(寺尾)が51秒19で頂点に立ち、同110メートル障害は熊田竜也(樽町)が14秒25で初優勝した。
最終日は18日、同スタジアムで男女13種目の決勝などを行う。
◆目標の6メートル突破
またしてもビッグジャンプが飛び出した。女子走り幅跳びは藤山が驚異の6メートル02の県中学新記録を樹立。跳ぶごとに記録を伸ばす3年生は大きな成長曲線を描いている。
4回目の試技だった。「いつもより空中(にいるの)が長いかな」。そんな手応えとともに着地すると、会場のどよめきが耳に飛び込んだ。最終6回目の試技でも6メートル00をマーク。日本中学歴代8位の好記録は偶然ではない。
4月の県選手権で5メートル88、今月の県選抜大会で5メートル91を跳んでいた。最低限という6メートルの大台に届き、「絶対に6メートルを跳ぼうと思っていたので良かった。全国でも同じような記録が出せるようにしたい」と喜んだ。
本格的に陸上へ取り組んだのは中学1年の途中から。野球で鍛えた強靭(きょうじん)なばねに加えて、昨冬のトレーニングが急成長を呼んだ。県の合同練習会で三段跳びのように大きなストライドでジャンプを繰り返す「バウンディング」の大切さを説かれ、100メートルを4本、毎日黙々と繰り返してきた。その効果は、この春の跳躍で示している。
「日本中学記録の6メートル19が次の目標。大会では自己新を出していって今年中に達成したい」と藤山。伸び盛りのジャンパーはこの夏、力強く日本一を取りにいく。
◆「11秒台狙ってた」三村
「本当は11秒台で記録を更新したかったのでちょっと悔しい」。女子100メートル予選で出した県中学新記録は今季中学の全国2位のタイム。それでも、残念そうにこう言うのだから三村には無限の可能性を感じさせる。
予選3組。スタート直後から周囲を引き離していった。最終盤やや体が流れて「ゴールは下手といつも言われる」と苦笑いした。ただ、それも伸びしろがあるということだろう。課題を改善すれば手動計測の時代を含めて誰も届かなかった11秒台はすぐそこだ。
最終日の18日には既に全中を決めている200メートルに加えて、リレーの決勝も控える。「リレーも狙っているので、きょうの走りをリレーにつなげたい」。全国のスプリンターたちを驚かす日は近い。
