クラブ、そして自身にとっても悲願のタイトルは絶対に諦めない。18日の福岡戦でドローに終わり、第1ステージ制覇へ崖っぷちに追い込まれたJ1川崎だが、その一戦を負傷欠場した主将中村は望みを捨てず、最終節大宮戦(25日・等々力)の出場へ強い意欲を見せている。
キャプテンの悔しさは計り知れない。16日の練習で背中と腰を負傷。遠征に帯同できなかった中村は仲間たちに勝利を託していたが、チームは最下位福岡と引き分け、首位の座を明け渡した。
ここまでチームを率いてきたからこそ、責任は誰よりも痛感している。背番号14は「次のことしか見ていない」と短い言葉に思いを込めた。
幸いにも患部の経過は良好で、「あとは痛みに対する恐怖心との戦い」と言う。この日は冷たい雨が降りしきる中、グラウンドでランニングを開始。「ちょっとやってみようかな」と精力的に短いパスの練習もこなし、ボールの感触も確かめた。
大宮戦まで時間は少ないが「リバウンドがなければまた明日、前に進めると思う。間違いなくやりたいと思えるぐらいまできている」。頼もしい言葉を残して、中村はグラウンドを後にした。
◆J1第1ステージ優勝の行方
勝ち点36の鹿島、同35の川崎の2チームに絞られた。鹿島は最終節で福岡に勝てば優勝が決定。鹿島が引き分けるか敗れ、川崎が大宮を下して勝ち点3を奪うと、川崎の逆転優勝となる。
鹿島が敗れ、川崎が引き分けて勝ち点36で並んだ場合は得失点差、総得点での争い。第16節を終えて鹿島の得失点差はプラス17、総得点が27。川崎はプラス16、総得点31となっている。