日本選手が過去最多のメダルを獲得したリオデジャネイロ五輪に続き、9月7日(現地時間)からはパラリンピックが開かれる。神奈川の11人を含む日本選手団132人には、悔いのないプレーを期待したい。
パラリンピックは第2次世界大戦後の1948年、戦争で負傷した兵士のリハビリテーションとして英国で行われた大会が起源とされる。88年のソウル大会から「パラリンピック」の正式名称が使われ、近年はアスリートによる競技スポーツの意味合いが強まっている。
神奈川の障害者スポーツの拠点になっているのが、横浜市港北区にある「横浜ラポール」だ。92年に開館し、1周160メートルの地下トラック、アーチェリー場、車いすバスケットボール用のコートなどが完備されている。今回のリオパラ出場選手でも、陸上の中山和美(33)をはじめ9人が練習拠点にしている。
パラリンピックで日本の獲得メダル数は減少している。アテネ大会では金17個を含む52個だったのが、北京大会は27個(金5)、ロンドン大会は16個(同)に落ち込んだ。リオ大会では金メダル10個を目標にしているが、世界の競技レベルが年々高まっており、楽観視はできない。
横浜ラポールでもレクリエーションやリハビリで利用する人が大半で、「世界で活躍が期待されるレベルの選手は健常者と同じ施設で、高度なレベルの指導を受けるのが理想」と担当者は指摘する。
パラリンピックの代表選手を対象にしたアンケートによると、5人に1人がスポーツ施設の利用を断られたり、利用に条件をつけられたりした経験があった。安全面や施設の損傷を懸念するためだが、バリアフリーは時代の流れだ。競技力向上のためにも、施設利用の壁を取り除く必要がある。