陸上の第51回県中学選手権(県中体連・神奈川陸協主催、神奈川新聞社など後援)最終日は1日、三ツ沢公園陸上競技場で男女12種目の決勝などを行った。
女子100メートル障害は小川ひかり(金沢)が14秒51の大会新記録で優勝。同200メートルは三村香菜実(西谷)が25秒21で制し、2年連続で100メートルとの2冠を達成した。
男子400メートルリレーは宮前平が43秒56の大会新記録で頂点に立った。
障害に専念 才能開花
悔しさは残るが、堂々の大会新記録だ。女子100メートル障害は小川が初V。全国での雪辱を期す14歳が軽快な走りでトラックを駆け抜けた。
予選で自己ベストに並ぶ14秒51の大会レコード。決勝は「前半で遅れてしまったので、後半にピッチを上げようと思った」と言う。155センチの体をフル回転させ、5台目のハードルでトップに躍り出ると、ライバルの追随を許さなかった。
結果は予選と同タイム。目標としていた14秒30台には届かず「ベストを更新できなくて悔しい気持ちでいっぱい」。喜びは控えめだったが、落ち着いたレース運びで栄冠をつかんだ。
中学時代に全国駅伝を走った2歳上の姉あやめさんに憧れ、「私も全国で活躍できる選手になりたい」と同じ金沢中の陸上部の門をたたいた。当初は短距離を主戦場としていたが、タイムが伸び悩んだ1年の夏に当時の顧問の勧めで障害に専念すると、才能が一気に開花した。
昨年の全国中学校大会(全中)は予選で涙をのみ、ジュニア五輪は準決勝で敗退。冬から筋力トレーニングに力を入れ、走力が向上しただけでなく精神力の強化にもつながったという。「全中につながる全ての大会で優勝が目標。全中でも優勝したい」。夢は膨らんでいる。
◆短距離は三村圧巻
女子短距離の優勝候補は強かった。西谷3年の三村が200メートルを制し、初日の100メートルとともに2年連続で頂点を独占。しかも、ことしは400メートルリレーも制覇して3冠を成し遂げた。
予選8位と苦しんだ200メートル。決勝も「最後はフォームがぐちゃぐちゃだった」と振り返ったが、25秒21の好タイムだった。アンカーを務めたリレーも圧巻。7番手からライバルを次々と抜き去り、前日に誕生日を迎えたばかりの15歳は自ら花を添えた。
冬場には両脚のけがで思うようにトレーニングを積めず、「リレーも200メートルも心配だった」と言う。「最後は気持ちで勝った」と満面に笑みを浮かべた。
◆宮前平 好記録で制覇
男子400メートルリレーで宮前平が大会記録を塗り替える43秒56。それでも、チームリーダーで第1走者の林は「バトンパスで、かなりミスがあった。まだまだ納得はいかない」と浮かれることはなかった。
林が「全中(全国中学校大会)記録を狙っていた」と言う決勝は第2走者の安藤が後れを取ったが、続く元木が猛追。アンカー矢崎が「あとは抜き返すだけ」と序盤に先頭を奪い返した。
昨年の全中で神奈川代表の東橘が2位。3年生チームは「神奈川代表として自分たちが優勝を成し遂げる」と意気盛んだった。