
ボウリングの第46回神奈川新聞社優勝旗争奪大会(県ボウリング連盟・神奈川新聞社主催、県公認競技場協議会など後援)は6日、川崎市川崎区の川崎グランドボウルで、個人総合得点で競うオールエベンツ(個人戦)と6人チーム戦を行い、個人戦の一般男子は菅野直人(湘南)=大庭中=が2749で史上最年少の優勝を飾った。一般女子は大久保咲桜(横浜=県横須賀工高)が2607で初制覇を遂げた。
6人チーム戦は川崎D(高橋美穂、山岸晶子、西川薫、里見宏、若狭達弘、土方捷)が4062で制し、団体総合は湘南が2年ぶり4度目の頂点に立った。
また、大会期間中に寄せられた募金10万2873円が神奈川新聞厚生文化事業団に寄託された。
◆大先輩の猛追かわす
弱冠13歳の菅野が、日本代表主将で仁川アジア大会金メダリストの佐々木の猛追をかわし、史上最年少優勝を飾った。
1ゲームあたり10ピンある中学生のハンディキャップを除いても全体5位という好成績。初日の3人チーム戦の3ゲームで、ハンディ込みの781という好スコアを出して優位に立ち、逃げ切った中学1年生は「相手がものすごい選手で、だんだん差が縮まってきたのでプレッシャーがすごかった」と勝利の味をかみしめた。
小学4年生でボウリングを始め、藤沢市内のボウリング場のクラブに所属して週4回練習している。指導を受けたプロに憧れ、プロボウラーを目指すようになった。放課後には毎日、自宅で筋トレに励み、レーンを読む練習に打ち込んでいる。
大先輩の佐々木も中学3年でこの大会を制し、高校時代に日本代表に選出された。そのトップボウラーは菅野のプレーを「ミスも少なく、レーンコンディションにも対応できていた」と高評価。「自分も初優勝のときは勝ちたい気持ちでがむしゃらだった」と振り返り、「これを機に県外の試合でも頑張ってほしい」とエールを送る。
貴重な経験を積んだ13歳はトップアマの佐々木から「雰囲気とか躍動感が全然違う。フィニッシュが崩れないし、コントロールもすごくいい」と多くを学んだという。「ユースのナショナルチームで活躍して、プロになりたい」ときっぱり言い切った。
◆守りに入らず快進撃
「毎年出場していたが、いつも勝てていなかった。やっと優勝できてほっとした」。一般女子を初めて制した高校3年の大久保は念願の頂点に頬を緩めた。
快進撃のきっかけは、初日の2人チーム戦だった。同じ県横須賀工高の後輩小西とペアを組んで挑み、1ゲーム目で今大会の一般女子ハイゲームとなった258をいきなりマーク。「後輩と組めたので、気を使わずに思い切って伸び伸び投げることができ、スイッチが入った」と言う。
この日も好調をキープし、6人チーム戦を終えて最後の3ゲームの個人戦に臨む前の時点で2位とは34ピン差。大久保と同学年でユースナショナルチームに所属する湘南学院高の藤原が迫るのを背中に感じていたが、初日の勢いは最終盤でも途切れない。「守りに入ってしまうことだけは嫌だった」と大久保。1ゲーム目から好スコアを連発し、藤原ら後続を引き離した。
昨年の全日本高校選手権女子の部で4位入賞。全国の舞台で経験と実績を重ね、心技体でタフになった。18日には全日本選手権が控える。17歳は「個人で入賞に食い込みたい」と奮闘を誓った。