第71回国民体育大会冬季大会スケート、アイスホッケー競技会第4日は30日、盛岡市アイスリンクなどで行われ、アイスホッケー成年準決勝で神奈川は青森を6-2で下し、初の決勝進出を決めた。31日に東京と対戦する。
このほか、神奈川勢はフィギュアスケート成年女子で鈴木美桜(慶大)が7位、松嶋那奈(早大)が8位に入り、都道府県別の成績では2位に輝いた。
スピードスケートの成年男子1500メートルは松井友汰(日体大)が8位だった。
またフィギュアスケート成年女子はショートプログラム(SP)1位の本郷理華(愛知・邦和スポーツランド)がフリーもトップとなって優勝した。村上佳菜子(愛知・中京大)が2位。
チーム一丸、壁破る
アイスホッケー成年の神奈川は6ゴールをたたき込み、前回王者の青森を撃破。過去3度阻まれてきたファイナルへの扉をこじ開けた。
中嶋寛監督(57)が「足も動いていたし、パーフェクト」とたたえる第1ピリオドで流れを引き寄せた。開始15分24秒、金村、滝の慶大コンビの連係で好機を生み出すと、副将の松崎が豪快にパックを放り込んだ。
「勝てば初の決勝。みんなモチベーションが高かった」と主将土塚。過去11度の優勝を誇る強豪に一歩も引かず、以降も次々と相手ゴールに襲いかかった。
終盤の集中力も際立っていた。2度の反則で数的不利となった第3ピリオド。相手がGKをベンチに下げ、6人がかりで猛攻を仕掛けてくる中、GK高瀬を中心に最後まで体を張ってしのいだ。
今回は世代別代表の経験がある高瀬をはじめ、この日2ゴール2アシストと大暴れした松野ら若手6人が加わった。「学生が走ってくれてベテランがそれについていく。速さとうまさがミックスされている」と指揮官。香川、長野の好チームに苦しみながら1点差でものにするなど、チームは勝ち上がるにつれて一丸になっている。
4年前の準決勝で敗れた青森を下し、決勝の相手は過去最多タイ28度の優勝を誇る東京。勢いのままに最後の難敵ものみ込んでみせる。
思い実らせ銀盤で笑み
同い年の仲良しコンビの笑顔が銀盤に映えた。
フィギュア成年女子は鈴木と松嶋がSPの出遅れをこの日のフリーで挽回し、それぞれ7、8位に浮上。2人の順位で争われる都道府県成績では本郷、村上の愛知に次ぐ準優勝に輝いた。
まず魅せたのは2組目で登場した松嶋。SPでは2度のジャンプミスが響いて16位に沈んだが、「何度転んでもいいから思い切ってやろう」と気持ちを切り替えた。
人気ミュージカル「シカゴ」のリズムに合わせて、小柄な体を目いっぱい使って演技。後半のジャンプを全て成功させ、観客を魅了した。
チームメートの見事な滑りにSP9位だった鈴木も続いた。最初の3回転-2回転をぴたりと着氷させ「緊張がとけた」という。3度のコンビネーションで着実にポイントを稼ぎ、最後はすらりと伸びた手足を生かしたビールマンスピンで会場の喝采を浴びた。
2人で国体に出場するのは今回で4度目。そろって出場した前回は3年前の東京国体少年で鈴木がフリー進出を逃していただけに「絶対に表彰台に乗ろう」と誓い合っていたという。思いを実らせ、喜びもひとしおだった。