日本バスケットボール界でリーグ戦とともに2大タイトルとされる全日本総合選手権(男子・天皇杯、女子・皇后杯)の準決勝、決勝が9日から11日にかけて東京・代々木体育館で行われる。川崎市からは東芝ブレイブサンダースと富士通レッドウェーブが挑む。東芝は2年ぶり、富士通は8年ぶりの、ともに4度目となる優勝を目指し、まずは9日の準決勝に臨む。
女子の富士通は2006年から08年まで皇后杯を3連覇。08年にはリーグも制し国内の覇権を握った。それ以来タイトルからは遠ざかるが、日本代表を4人抱えるなど戦力は充実する。
BTテーブス・ヘッドコーチは「うちはこの2年で強くなったと言われるし、自信を持っていい。だが実際は何も残していない。タイトルが取れれば大きな一歩になる」と意気込む。
準決勝の相手は宿敵、デンソー(愛知)。今季のリーグ戦も1勝1敗でともに僅差の戦いだった。日本代表でチームの浮沈を握るポイントガードの町田瑠唯主将は「相手は違うが、去年も準決勝で負けた。デンソーは守備が良く、ロースコアは向こうのペース。どんどん走って、得点を伸ばしたい」と一戦をにらむ。
男子の東芝は14年以来、4度目の優勝に挑む。準決勝は現在リーグ戦の首位に立つリンク栃木(栃木)が相手。横浜市出身で日本代表の田臥勇太選手を起点とした、速い攻撃を得意とするチームだ。
キーマンとマッチアップするポイントガードの篠山竜青主将は「栃木のリズムをつくっているのは間違いなく田臥選手。気持ち良くプレーさせないため、まずは自分の守備が大事になる」と気を引き締める。
7日の練習では、入念に栃木対策を確認。絶対的エースのセンター、ニック・ファジーカス選手の仕上がりも順調だ。北卓也ヘッドコーチは「栃木はニックと辻直人といううちの得点源を抑えにくる。彼らにも重圧を打破してほしいが、周りの選手がいかにシュートを打ち切ってくれるかがポイントになる」と見る。篠山主将は「チャレンジャーとしてまずは準決勝を勝ちきりたい」と結んだ。
9日の準決勝は富士通が午後1時、東芝が同5時。決勝は女子が10日、男子が11日のともに2時から。