
主役が不在
「チャンスはあるが決めきることができない」。横浜Mのモンバエルツ監督が今シーズン何度も繰り返した言葉は、11月22日の今季リーグ最終戦でも発せられた。
相手は、既に来季のJ2降格が決まっていた松本。横浜Mは常に主導権を握り続けていた。
トップ下の中村が攻撃を操り、昨年のワールドカップ日本代表の斎藤と、ブラジルのU-21(21歳以下)代表で背番号10を背負っていた経歴を持つアデミウソンがサイドを鋭く攻めた。だが、3倍以上となるシュート16本を放ちながらも無得点。年間順位は昨季と同じ7位で終わり、斎藤は「1年間の課題が出た」と指摘した。
結論としてストライカー不在が響いた1年だった。チーム最多はアデミウソンの8ゴールで、2桁得点者は優勝争いした2013年のマルキーニョス(16点)、中村(10点)以来2年連続で出ていない。
指揮官は「われわれを苦しめたのはラフィーニャのけが。第1ステージは俊(中村)の不在も影響した」と総括する。第2ステージ開幕戦で今季初先発した主将はもちろん、年間で10試合1得点に終わったブラジル人FWの稼働率は大きな誤算だった。
「縦へ速く」
ただ、見込みが外れたことばかりでもない。横浜Mの株主で英国のシティー・フットボール・グループ(CFG)が保有する世界規模の情報を駆使して招いたフランス人指揮官は新たな風を吹き込んだ。