頼れるエースが躍動
大黒柱の存在感は絶大だった。アレセイアは195センチのセンター、フィリップが攻守に躍動して2連覇を達成。チーム最多の34得点を稼いだキャプテンは「ほんとに最高。みんないい気持ち」と大喜びした。
開始40秒に軽々とダンクシュートを決めると、その後も長い手足を生かして、ゴール下の攻防を制し続けた。奪ったリバウンドは29。ナイジェリア人留学生は「カウンターからのパスでたくさん得点が取れた」と誇り、チーム2番目の16点を挙げたフォワード井関も「困ったときに取ってくれる頼れるエース」とたたえた。
6月の県総体後に当時の主将を含む3年生の半数が受験のためにチームを離れ、フィリップが新主将に就任。夏場に新潟・妙高高原で12日間の高地合宿を張り、箱根駅伝の常連校も利用するコースで朝6時半から走り込みに励んできた。結束力を高めるとともに、「チーム力を上げることに成功した」と3年生フォワードの吉岡は言う。
鍛え上げたスタミナはこの日も発揮された。一時は5点差にまで追い上げられながら、再び大きく突き放した第4クオーターが象徴的だった。
県総体王者を大差で退け、2度目のウインターカップへ。もちろん初戦敗退した1年前の悔しさは忘れていない。将来は米プロリーグのNBAでのプレーを夢見るフィリップは「今回はほんとにめっちゃ一生懸命頑張りたい」と燃えている。
精彩欠いた厚木東
3年ぶりに決勝に進出した厚木東は、力負けだった。
アレセイアのフィリップに次々とシュートを決められ、第1クオーターで9-21と主導権を握られた。第2クオーター以降は主将の富樫やガード望月が果敢に攻め込んで打開を図るも、流れを引き寄せるまでには至らなかった。
自慢のアウトサイド攻撃は終始精彩を欠いたまま。県総体との2冠を逃したキャプテンは「考えすぎて思い切りのいいプレーができず、自分たちのリズムでできなかったのが敗因」と悔やんでいた。