栄光と挫折に満ちた高校野球の3年間だった。小笠原慎之介とともにダブルエースとして、東海大相模を支えてきた吉田凌。右腕は階段をはい上がっていくたびに強くなってきた。
2年夏は「絶頂期」だった。神奈川大会決勝の向上戦で、大会記録に並ぶ20奪三振をマーク。150キロ近くの直球と落差あるスライダーで全国に名を知らしめた。
だが、その年の11月、左腰に痛みが走った。骨にひびが見つかった。実戦復帰まで3カ月も要するとの診断だった。
「階段は上りだけじゃない。下るときだってあるんだ」。門馬敬治監督(45)の言葉を胸に刻んでリハビリに励み、マウンドに戻ってきた。その右のエースに再び痛みが襲ったのは、今夏の全国選手権大会の期間中だった。