全国高校総体(インターハイ)第12日は8日、京都府の長岡京市西山公園体育館などで11競技が行われ、県勢はカヌー男子のスプリント・カヤックペア(200メートル)で横浜修悠館(佐々木哲、内藤)が40秒574で6位入賞を果たした。同カナディアンシングル(200メートル)では有村啓吾(鎌倉)が46秒691で8位となった。
柔道は男子団体で東海大相模が3回戦を突破した。
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互いを信じ諦めず
互いを信じてこぎ続けたから、悔いはない。カヌー男子スプリント・カヤックペア(200メートル)の佐々木哲・内藤組が6位入賞で最後の夏を彩った。
スタートで出遅れた。横波でパドルの向きが変わってしまい、手痛い失速。それでも諦めず、すぐに立て直して前の艇を追った。レース後に肩を組んだ2人は「今までで一番いいこぎだった」と胸を張った。
昨春からペアを組み、「初めてとは思えないくらい息が合った。今ではもう1人でこいでいるような感覚」と佐々木哲は言う。2人とも技能連携先の横浜修悠館に籍を置くが、普段は「災害現場で多くの人たちを助けたい」という夢を追い、陸上自衛隊高等工科学校で学んでいる。
起床から就寝時間まで決められた厳しい寮生活の中、練習時間は1時間半ほどで、「他校の3分の1程度」と同学校の佐伯将士監督(36)。そうした環境でも、ライバルたちに差をつけられまいと、授業の合間の10分間で懸垂して体を鍛え、夕食後の1日1時間という自由時間も使って走り込みを続けてきた。
2人でパドルを握れるのも秋の和歌山国体まで。「哲平(佐々木)が人の見ていないところでも練習しているのを知っている。あいつと一緒なら負ける気がしない」と内藤。今度は2人で表彰台のてっぺんに上ってみせる。