
サッカーの天皇杯全日本選手権(日本サッカー協会、Jリーグ主催、共同通信社、NHK共催)第8日は24日、茨城・カシマスタジアムなどで準々決勝4試合が行われ、川崎、横浜Mの神奈川勢2チームのほか、J1覇者の鹿島と大宮が勝ち進んだ。G大阪は3連覇を逃した。29日の準決勝は横浜M-鹿島、大宮-川崎のカードとなった。
川崎は大久保の得点などでFC東京に2-1で勝ち9大会ぶり、横浜MはG大阪に2-1で競り勝ち3大会ぶりの4強入りを果たした。鹿島は赤崎のゴールを守り抜いて広島を1-0で下して4大会ぶり、大宮は延長の末に湘南を4-2で退けて11大会ぶりのベスト4となった。
移籍先も手加減なし
来季のチームメートが相手であろうと、手加減は無用だ。0-0の前半20分、川崎のエース大久保は右に展開した田坂の折り返しに中央で反応した。
「ヘディングしようとしたけど、ボールが落ちたから膝を出した」と抜群の反応で浮き球をミート。来季移籍が決まっているFC東京のホームであいさつ代わりの一撃をたたき込み、「外したら『八百長じゃないか』と言われるから点は取りたかった」。9年ぶりの4強進出を懸けた大事な一戦で背番号13が存在感を示した。
ただ、PKを除けば3カ月ぶりとなるゴール以上にうれしいのが、川崎らしいパスワークで試合を支配できたこと。「ことしの試合で一番というぐらい楽しかった。(チームに)自然と勝ちたいっていう気持ちがあったと思う」と上機嫌だった。
J1年間王者を決めるチャンピオンシップ準決勝で鹿島に敗れてから1カ月。クラブ、そして自身にとっても悲願のリーグタイトル獲得がかなわず、人目をはばからずに号泣した34歳だが、「最後はやっぱり笑って終わりたい」と天皇杯へ気持ちをリセットした。
初の決勝進出へ、29日の相手は大宮。「この大会しかタイトルが残っていない。とりあえず次。何が何でも勝ちたい」