
レスリングの全日本選手権第1日は21日、東京・代々木第二体育館で男女計9階級が行われ、神奈川勢は女子60キロ級で逗子市出身の香山芳美(早大)が準優勝した。男子フリースタイル86キロ級の内藤由良(国士舘大)は準々決勝で敗れた。
このほか、男子グレコローマンスタイル130キロ級は園田新(拓大)が全3試合でフォール勝ちとテクニカルフォール勝ちと圧勝し、3連覇を達成した。女子63キロ級は伊藤彩香(東新住建)が決勝で源平彩南(至学館大)に競り勝って2連覇。同55キロ級は17歳の南條早映(東京・安部学院高)が初優勝を飾った。
男子グレコローマン66キロ級は5月の全日本選抜選手権を制した高橋昭五(日体大)が初の頂点に立った。男子フリースタイルは86キロ級の松坂誠応(日体大)、97キロ級の赤熊猶弥(自衛隊)がそれぞれ初優勝した。
今大会は来夏の世界選手権(パリ)代表の1次選考会を兼ねている。
初の決勝 無念さ隠せず
過去最高の銀メダルでも満足できない。女子60キロ級決勝で社会人選手に大差で敗れた香山は「技術も経験値も気持ちも相手の方が上だった」と悔し涙で目を腫らした。
出場6度目にして初めて進んだ決勝。開始20秒に素早く右脚を取って機先を制したが、徐々に相手のペースに引き込まれた。「準決勝まではタックルを防げていたけど…」。相手の巧みな仕掛けをかわせず、次々とマットにねじ伏せられた。
早大レスリング部で男子部員に交ざって研さんを積む21歳。小学1年時に父の智さんに連れられて、体験教室に参加したのがレスリングに出会ったきっかけだ。逗子市立久木中を経て進んだ強豪の東京・安部学院高では世界カデット選手権で金メダルを獲得するなど実績を残してきた。
昨年は全日本学生選手権(インカレ)制覇に、世界ジュニア準優勝と順調なシーズンを過ごしたが、今季は相次ぐ故障による実戦不足が影響し、思うような闘いができなかった。
「今回はやっとけがを治して出られた大会。勝つことはあまり意識していなかったけれど、負けたら思ったよりも悔しかった」。やはり無念さは隠せない。
来季は最終学年。卒業後に競技を続け、4年後の大舞台を目指すかは未定という。「五輪を目指すのだったら階級変更も必要になってくる。これからよく考えて決めたい」。鍛錬を重ねつつ塾考するつもりだ。