
第53回県高校総体兼全国高校総体(インターハイ)県予選会(県高体連など主催、神奈川新聞社など後援)は24日、各地で熱戦を繰り広げた。
陸上最終日は三ツ沢公園陸上競技場で男女11種目の決勝を行い、男子110メートル障害は金井直(橘)が14秒20で初優勝を飾った。同800メートルは小川智也(相洋)が1分52秒82で2連覇。同三段跳びは小林慎弥(菅)が15メートル21で制した。
男子1600メートルリレーは法政二(杉尾、宮下、伊藤、高田)が3分12秒70で、女子1600メートルリレーは相洋(佐藤、西村、大石、青木)が3分43秒89でともに大会記録を更新。最優秀選手には男子棒高跳びで5メートル26の県高校記録を更新した江島雅紀(荏田)と女子200メートルと400メートルで2冠の青木りん(相洋)が選出された。
レスリングの個人戦は120キロ級で松本直毅(横浜清陵総合)が2連覇を達成。同74キロ級は佐藤拳(磯子工)が初優勝に輝いた。
けが「好機」に変え成長
この夏の全国チャンピオン候補が圧倒的な強さを見せつけた。男子110メートル障害で金井が今季の全国ランキングトップとなる14秒20をマークし、初の頂点に立った。
2・0メートルの向かい風もものともせず、力強い走りでライバルたちを置き去りにしていく。昨年にたたき出した自己ベストに並ぶ好タイムに「強い向かい風の中で同じタイムを出せたのは大きい。しっかりいいレースができた」と胸を張った。
昨年12月のトレーニング中に左膝を痛め、約3カ月間、まともな練習ができなくなった。だが、「腐ってはだめ」と言い聞かせ、自身を高める好機と捉えた。
チームの練習から離れて黙々とウエートトレーニングに励み、体重を65キロから72キロへ増量。「今までの軽い走りから、今は一歩ずつ力強く踏めている」と課題のスプリントを補強。原恵美子監督(59)も「しっかりとした足運びになってきた。あのけがが今の金井をつくった」とうなずく。
追う背中がある。1年前に日本高校記録を塗り替え、全国を沸かせた相洋高の古谷(早大)。憧れのハードラーは大会前に貴重な助言を与えてくれる大きな存在だ。「人としても尊敬している。古谷さんに少しでも近づいて、いつかは超えていく」。神奈川のヒーローが再び全国を熱くする。