
◆コーナーキック「ベンチの策も後手に」
川崎は1点を先制された後からMF中村、FW大久保ら主力を次々と投入するも1得点。今季J1に昇格した山形に引き分けに持ち込むのがやっとで、勝ち点3を奪えなかった。
16日のリーグ戦から先発5人を入れ替えて臨んだ風間監督。だが、ハードワークをいとわない相手に苦しみ、パスワークが乱れてしまう。「もう一回崩したいところでボールを取られた」とMF橋本が悔やめば、FW船山も「メンバーが(大きく)変わったことで安全に行きたい気持ちがあったのが裏目に出た」と厳しい表情。前半のシュート数はわずか2本止まりだった。
「チームの中にはっきりと差があった。何人かの選手にはがっかりさせられた」。試合後の風間監督の口からは珍しく辛辣(しんらつ)な言葉が飛び出したが、ベンチの策も後手に回った感は否めない。
前半は低調を極めたのにもかかわらず、キャプテンやエースをピッチに送ったのは後半、先制点を奪われてから。主力をそろえた後の攻撃も縦へのパスが少なく、相手を怖がらせるプレーはあまり見られなかった。
チームにはけが人が続出し、現在7位のリーグ戦を含めて初タイトルへは険しい道のりが続く。MF車屋は言う。「もう一度、優勝を目指すチームだということを思い出さないといけない」
◆同点弾も笑顔少なく
川崎のMFエウシーニョが引き分けに持ち込んだ。0-1の後半19分、FW船山のシュートを相手GKがはじいたところを見逃さず、「うまく転がってきた。押し込むだけ」と右足でゴール左に突き刺した。
4月8日のナビスコ杯第3節の清水戦以来の今季公式戦3ゴール目。ただ、後半33分にFW大久保のスルーパスにタイミングが合わず、勝ち越し点はならず。「ゴールするよりもチームの勝利が重要。満足せずに次に向かっていきたい」と笑顔は少なかった。
(等々力)