
第53回県高校総合体育大会兼全国高校総合体育大会(インターハイ)県予選会(県高校体育連盟など主催、神奈川新聞社など後援)の総合開会式が18日、藤沢市の県立体育センターで行われ、190校の3610人が参加し、健闘を誓った。
今夏のインターハイは和歌山県を中心とする近畿地方の2府4県で開催される。
開会式では、高木学園ライフル射撃部の村松みずき主将が選手宣誓。県高体連の小野文生会長があいさつし、「勝つことを目標に最大限努力することが大切。仲間を信じて最後まで諦めず、頑張ってください」と呼び掛けた。
選手はユニホームや制服姿などでパフォーマンスを披露しながら行進。10校206人のチアリーディング・チアリーダー部員と、6校230人の吹奏楽部員が演技と演奏で盛り上げた。
華やかに選手を鼓舞10校合同チア
10校合同のチアリーディングが式典を華やかに締めくくった。麻生、生田東、住吉、高津、日女大付、百合丘、日大、茅ケ崎、横浜緑ケ丘、相模女子の総勢206人が参加。躍動感あふれるパフォーマンスで高校生アスリートにエールを送った。
「レッツゴー神奈川! 輝け高校生」との掛け声とともに次々とピラミッドが組まれた。頂上に立った1人が大きくジャンプし、後方宙返りする「バスケット・トス」を一斉に披露。会場の歓声を浴びた田口涼香さん(高津3年)は「チーム神奈川として演技ができた」とすがすがしい表情で振り返った。
合同でのリハーサルは3度だけ。それでも各校の日ごろの練習が生きた。近藤みちるさん(麻生3年)は「本番の直前に声を掛け合った。チームの枠を超えて一つになれた」と胸を張る。佐藤紗菜さん(百合丘3年)は「3千人を前に200人の大勢で演技する経験なんてもうない。他校の人と仲良くなったけど、今度はライバルとして競い合っていきたい」と目を輝かせていた。
息の合った演奏披露
軽やかな音色で入場行進を盛り上げたのは、向上、鶴見、湘南学院、平塚学園、厚木北、上鶴間の計6校の吹奏楽部員230人。行進曲など8曲で息の合った演奏を繰り広げた。
約100人が参加した向上吹奏楽部の山口穂乃香部長(3年)は「天気もよくて、生き生きと演奏ができた。大勢で息を合わせていいマーチになったと思う」と満足そうだった。
1年生2人も堂々と
3千人以上が参加した入場行進。的確なアナウンスでテンポよく各校を紹介したのは湘南の放送部員6人だ。
4月に入部したばかりの1年生2人も堂々とアナウンスを披露し、八木海有部長(2年)は「練習通りに活発にアナウンスができた。新入部員も期待以上に頑張ってくれた」と胸を張った。
緊張も大役果たす 村松(高木学園)が宣誓

「少し慌てたけど、何とかできてよかった。いい経験」。高木学園ライフル射撃部の村松主将は選手宣誓の大役をこなし、安堵(あんど)の表情を浮かべた。
3千人以上の観衆が見守る中で胸を張り、「多くの方々に支えられた感謝の気持ちを全力でプレーすることですべての人へ表現していきたい」と声を張り上げた。その勇姿に、スタンドから大きな拍手が起こった。
中学校時代はハンドボールに汗を流した。「的のど真ん中に撃つ姿が格好いい」と興味を引かれ、高校ライフル射撃の名門の門をたたいた。
人一倍、集中力には自信がある。「スランプの時期もある。でも落ち込んでも仕方ない。こつこつ練習をすれば何とかなる」。日々、鍛錬を怠らず、昨年8月には2年生ながらビームライフル女子個人で全国の舞台に立った。
昨夏の全国高校選手権のエアライフル女子団体を制している強豪のキャプテンを託された。「今年も優勝する。悩んでいる部員がいたら積極的に声を掛けていきたい」。自らの宣誓で幕を開けた最後の夏の舞台を心待ちにしていた。




