
川崎 1-1 浦和
(前 1−0|後 0−1)
勝ち点3が手のひらからこぼれ落ちた。試合終了間際に同点ゴールを食らい、川崎は痛恨のドロー。「もったいないし、悔しい」。主将のMF中村の言葉にも無念さがにじむ。J1でのホーム通算100勝がお預けになったことより、首位浦和との勝てる試合を分けた事実が何より重い。
一瞬の隙だった。後半44分のセットプレー。浦和FWのズラタンにニアにできたスペースに走り込まれ、頭でネットを揺らされた。「うまいこと(他の選手に)ブロックされた。相手の狙い通りだったと思う」。GK西部もリーグ戦初となる無失点勝利を逃し、悔しさを隠しきれない。
ただ、悪い予兆はあった。後半は「なりふり構わずきていた」(MF中村)という相手に対して受け身に回った。「安全にパスを回すだけじゃ駄目。ボールがゴール前に入らないし、全然(自分たちが)怖くないなと思いながらプレーしていた」。シュート1本に終わったFW大久保も首をかしげる。リスクを冒して崩しにかかる大胆さはなく、後半のシュートは2本だけだった。
試合終盤の失点で勝ち点の取りこぼしを続けた昨季の課題を再び突きつけられた形だが、風間監督は「学んでいく大きなチャンス」と言う。早めに克服しないと、悲願が遠のいてしまう。
川崎のMF森谷が先制ゴールを決めた。前半35分にDF車屋のクロスに右足で合わせた。8日のヤマザキナビスコ・カップの清水戦に続く公式戦2試合連続ゴールに「チャンスが来たら確実に決めることを意識している」と納得顔だ。
チームは惜しくも引き分けに終わったが「試合は続くので、負けなかったと、いい意味でとらえたい」と前向きだった。
(等々力)