Jリーグ・ヤマザキナビスコ・カップ1次リーグ第2節は28日、ニッパツ三ツ沢球技場などで6試合を行い、B組は横浜Mが2-0で清水を下して初勝利を挙げた。
公式戦2連勝を決定づけたのは、26歳のブラジル人MFだった。
1-0の後半24分の左CK。混戦の中、186センチの体を投げ出して左足を振り抜く。2013年5月以来となるプロ通算2点目を奪ったファビオは「守備の仕事が多い中で、ゴールはすごくうれしい」。スタンドで観戦していた愛妻へ両手でハートマークをつくると、ポーカーフェースが笑顔に変わった。
昨季限り40歳で現役を退いたクラブのレジェンド、ドゥトラと同じブラジル・マラニョン州出身。「彼が辞める前、次は私が(背番号)5番を受け継ぐよ、と冗談で話していた」というが、「ブラジル人として頑張ってほしい」との言葉を大先輩から受けて背番号を継ぐことを直訴した。その5番と責任を背負って今プレーしている。
「(ドゥトラから)学んだのはプロとしての日々のあるべき姿」とファビオ。高く、強い、球際の競り合いに、その思いの一端が見て取れる。
自身が先発した公式戦3試合はいまだ無失点。この日も苦しい内容だった前半は、献身的な守備で相手の攻撃の芽を摘んだ。「チーム全体の頑張りで勝利できた」。自身の活躍よりもチームの結束を強調した助っ人が、攻守で不可欠なピースとなっている。
【神奈川新聞】