国際都市・横浜を舞台にした初めての横浜マラソン。海風を感じながら数々の観光スポットをつなぐコースの沿道には、多くの市民らが詰め掛け、大きな声援が送られた。参加したランナーからは「格別な大会だった」といった声が上がった。
会社員の久保信人さん(37)=横浜市港南区=は、マラソン歴2年で初めてフルマラソンを完走。家族でよく行く山下公園の周辺では、「思い出に浸り、気分がハイになった」という。難所とされた首都高速道路湾岸線については、「上りで道が広く、進んでいる感じがしなくてきつかった。でも、じっくり工業地帯の景色を楽しんだ」と満足そうに話した。
沿道では、地場産品が提供された「ラッキー給食」のほか、和太鼓の演奏やチアダンスなどのパフォーマンスが盛り上げにひと役買った。フルマラソンに出場した公務員の細野松宏さん(35)=藤沢市=は、人が浮かんでいるように見えるマジックが走っている視界に入り、「びっくりして呼吸が乱れそうになった」と冗談を交えながら、「声援に力をもらった」。車いすを利用する長男(11)と車いす2キロの部に参加した会社員の勝谷啓司さん(49)=横浜市港北区=は「温かい声援を送ってくれて、楽しめた」と感謝した。
大会を支えるスタッフらも奮闘。自転車に乗ってコースを警戒する「サイクルポリス」を担った県警第1機動隊の地名佑一巡査(21)は、「初めての試みで緊張感があった。参加者が無事にゴールできてよかった」と安堵(あんど)。ボランティアを務めた県走友会連盟常任理事の鈴木貞夫さん(75)は「満足して帰ってくれたらうれしい」と話していた。
【神奈川新聞】